富士ソフト(白石晴久社長)は、再生医療に使うヒトの軟骨を生産する拠点を12月1日に開設した。軟骨細胞を培養し、立体的に成形するもので、東京大学の技術供与を受けて始める。富士ソフトの組み込みソフトと業務システムの開発ノウハウを活用し、生産技術の確立を目指す。2015年をめどに薬事法の定める基準を満たして商品化し、2020年までの5年間の累計で40億円の売り上げを見込む。

 生産拠点の名称は「細胞プロセッシングセンター」で、東京・墨田区の事業所に約3億6000万円を投じてつくった。軟骨再生は技術的に確立されたものであり、「民間で生産することが望ましい」(東京大学の高戸毅教授)と判断。富士ソフトとの協業を決めた。軟骨は患者の軟骨細胞を取り出して培養し、必要な大きさや形に整えてから再び患者に戻す。こうしたプロセスのなかで、万が一、別人の細胞でつくった軟骨が誤って移植されると拒絶反応が起こる危険性がある。

 細胞プロセッシングセンターでは、ICタグを使った管理技術や生産支援システムをフルに活用。ITを駆使した「高レベルな品質管理」(白石社長)を実現した。ICタグや生産支援は、同社が得意とする組み込みソフトや製造業などで使う業務ソフト開発で培ってきたもの。当面は年間500~600個の軟骨生産の技術確立を目指す。量産能力が高まれば、ビジネスの可能性は高くなる。

 富士ソフトでは医療を重点分野に位置づけており、これを足がかりに組み込みソフトや業務システムと並ぶ同社の強みの一つに育てる方針。