軽く、質の高い3Dを提供

 3Dウェブコマースプラットフォームやメディア・ソリューションを手がける、ビュー22テクノロジー(アンナン・ゾハーCEO)のデビッド・グラハム・アジア地域営業専務に、現在の企業における3Dインターネットの状況と、同社が新しく日本で展開するサービスについて聞いた。

 日本における、3Dインターネットは徐々に広がりをみせている。セカンドライフなどの仮想空間のコミュニティサイトがいくつか立ち上がっているほか、インキュベーション事業などを手がけるngi groupの子会社で、3Dインターネット関連のソフトを提供する3Diが、オープンソースの「OpenSim」を採用した商用向け仮想空間サーバーソフトを発売するなど、企業向けでも3Dの製品が出始めている。

 グラハム氏は「これまで3Dといえば、企業内で商品開発などに使われる3次元CADのほか、宣伝にCGを使う程度。企業内の制作現場から3Dが外に出ることはなかった。だが、セカンドライフなどの登場により、3Dが消費者に身近になりつつある」と話す。

 企業もセカンドライフなどの仮想空間にシム(島)をオープンするなど、積極的な展開を図っているが、「実際のところ、人が集まらないとコミュニケーションに価値は生まれず、集まりが悪い仮想空間は商売の場には適していない」と指摘する。

 消費者の購買行動は従来、複数店舗を回ったうえで購入店を決定する傾向があった。それが今では、あらかじめインターネットで商品知識を得て、どこで何を買うかを決定してから買い物に行く行動に変わってきている。しかし、インターネットでは実際の店舗や店員の雰囲気を感じることができない。「そのため、ネットユーザーは3Dのような、サイトの差別化要素を求めている」とグラハム氏は話す。

 一方、「企業もこうした要望を把握していて、宣伝サイトに3Dを導入するなど、豊富なコンテンツにより、潜在顧客の囲い込みを図りたいと考えている」(同氏)という。

 同社は先ごろ、ウェブ上でドラッグ・アンド・ドロップするだけで思い通りの仮想空間をデザインできるコミュニティサイト「SceneCaster」を提供開始した。ユーザーはそれぞれが3D空間である「シーン」を作成することが可能で、ユーザー同士はそれぞれの「シーン」を共有する。「シーン」には部屋の内装などさまざまな空間を作ることが可能となっている。

 新技術「SceneWeaver(シーンウィーバー)」により、専用クライアントを必要とせず、携帯やPCを通してどこからでも3D空間を見ることができるほか、自分のホームページやブログなどに自分の作った空間「シーン」を埋め込むことも可能だ。

 SNSであるFacebookとの連携により、ユーザーの自己表現の場としてだけでなく、Eコマースサイトで気に入った商品を購入できる。「セカンドライフなどの仮想空間は同期する環境。複数のユーザーが同時にアクセスし、同時にデータ処理を行うため、重く、画質が荒い。一方、SceneCasterは非同期のため、軽く、質の高い3D空間を提供することが可能」(同氏)というのが特色だ。

 同社はSceneCasterを企業サイトへ導入することを促進している。「アパレルや家電など、業種を問わず引き合いがきている。2009年には導入が300社を超えるだろう」と見込んでいる。