パッケージソフト開発などのシステムインテグレータ(梅田弘之代表取締役)は、ソフト開発会社とSIerをメイン顧客にしたプロジェクトマネジメント(PM)ツール「SI Object Browser PM Ver1.0」を新たに自社開発、11月上旬に発売した。ソフト開発会社に来年から事実上義務づけられる「工事進行基準対応」などを謳い文句に、まずは直販で販売本数を伸ばす計画。発売後3年間で6億円の売り上げを目指す。

 新パッケージは、ソフト開発やSIプロジェクトの予算や人員、進捗などを正確に管理するためのツール。不採算案件の削減に役立てることができるほか、「工事進行基準」にも対応することが可能になる。梅田代表取締役によれば、「赤字プロジェクトを最低でも半減できる」と説明。開発した機能に自信を示している。

 システムインテグレータはSIビジネスほか自社開発パッケージ開発・販売を手がけるSIerで、同社もソフト開発の効率管理手法や工事進行基準への対応を模索していた。「Excel」を使ったり、他社製パッケージを使ったりなどでマネジメントしていたが、「もっと効率的な管理手法がある」と梅田代表取締役は判断。自らが先導役を担って開発した。発売2か月前の9月からすでに自社導入している。

 新製品の特徴は大きく分けて二つある。まずは「PMBOK(プロジェクト・マネジメント・ボディ・オブ・ナレッジ)」と呼ばれる米国で広く浸透するプロジェクト管理手法を採り入れ、PMに必要な九つの要素を統合管理できる点。「PMBOK」では、「時間」「コスト」「品質」「要因」「リスク」など合計九つの要素管理が不可欠としており、新ツールはそれらをすべて管理可能だ。「PMツールはすでにいくつか存在するが、他社製品は個々の要素の範疇にとどまる」と梅田代表取締役は自社製品の優位性を説明している。

 二つ目が来年4月から受注型のソフト開発ビジネスを手がける全企業に事実上義務づけられる「工事進行基準」に対応すること。工事進行基準は、プロジェクトの進捗度に合わせて売り上げを計上する仕組みで、厳格なコストとスケジュール管理が必要になる。新ツールでは、プロジェクトの進捗度を定量把握・管理する技法「EVM」を採用したことで、対応可能にした。また、それだけでなく現在ソフト開発会社が広く使う売り上げ一括計上の「工事完成基準」を選択可能にもした。

 価格は50クライアントの場合で200万円。サーバー環境は、OSが「Microsoft Windows Server 2008」で、データベースが「同 SQL Server 2008」。販売目標は初年度1億円で次年度2億円、3年間で6億円としている。まずは直接ユーザーに提案・販売し、その後、パートナーを通じて間接販売も始める計画。

 梅田代表取締役は、「強いて競合を挙げれば、部分的な機能でマイクロソフトの『Microsoft Office Project』になる。だが、完全に競合になる製品はない。自社の開発ノウハウを盛り込んだ結晶で、他社はなかなか追随できないはず」と自信を示している。

 システムインテグレータは1995年設立のSIerで、梅田代表取締役は同社設立前は住商情報システムでERP「ProActive」を先導して開発した実績があるほか、インフォベックのERP「GRANDIT」開発にも関わっている。