日本ユニシス(籾井勝人社長)を中心とするグループ連携が徐々に強化されつつある。買収したネットマークス(大橋純社長)の子会社であるエス・アンド・アイ(S&I、松本充司社長)を、ユニアデックスの子会社に移すといった策を実施。これにより、子会社間のシナジー効果が向上している。日本ユニシスグループにおける「ICT(情報と通信の融合)サービス」提供の本格化が進んでいるようだ。

■「PWP」がシナジー効果生む

 ICTサービス事業の拡大として今年度(2009年3月期)から本格的に提供している「パワーワークプレイス(PWP=SIとNIを組み合わせて提供するコンセプト)」で、日本ユニシスとユニアデックス、ネットマークスの3社による相乗効果が出てきている。中間期の時点で獲得した企業は大手メーカー2社。数としては少ないが、「ユニアデックスとネットマークスの連携強化を図るという点では重要なサービス」と、日本ユニシスの籾井社長はアピールする。

 PWPを提供するために必要なノウハウはSIとNI。同サービスの販路としてユニアデックスとネットマークスそれぞれで構築しているが、「現場レベルでは、両社の営業担当者が密なコミュニケーションを図っている」(籾井社長)としている。実際、ネットマークスは「PWPをきっかけにして連携がとれている」(ネットマークスの大橋社長)という。同社では、NI案件以外にも顧客企業からSI案件がくるケースがある。日本ユニシス傘下になる前は、SI案件を断念せざるをえなかった。グループ内にSIerを抱えていることにより、SIとNIをセットにした案件を獲得できるという点で日本ユニシス傘下になったメリットは大きいといえそうだ。日本ユニシスの籾井社長は、「ビジネスシナジー強化に向け、案件ベースで協業チームを結成している。安定軌道に入った」と自信をみせている。

■各社のポジションを明確化

 ユニアデックスによるS&Iの子会社化は、双方にメリットをもたらしているようだ。ユニアデックスのメリットは、IBM製品を扱えるようになったこと。このほどIBM製ブレードサーバーの保守サービスを開始した。これは、S&IがIBMの有力販社で、仮想化を武器にブレードサーバーを多く売っていたからだ。IBM製品を扱っていなかったユニアデックスは、すべてのサーバーメーカーをカバーし、「マルチベンダー化を目指す」(ユニアデックスの高橋勉社長)ことが実現できたことになる。

 S&Iにとっては、強力なサポート体制を整備できたというメリットがある。ユニアデックスのサポート拠点は全国網。これまで首都圏が事業の中心だったS&Iは、手がける地域が広がったことになるのだ。全国網のサポートをバックに得意の仮想化を武器に顧客を増やす体制が整備でき、「グループ戦略を活性化させることに貢献する」(S&Iの松本社長)と意気込んでいる。

 ネットマークスとS&Iを切り離したことで、ユニアデックスを含めた各社のビジネスも行いやすくなった。ネットマークスは、S&Iの移管に加えて保守事業をユニアデックスに任せることになった。これにより、「当社の強みを発揮できる」(大橋社長)と言い切っている。同社の強みであるデータセンター向けのネットワークインフラ構築やUC(ユニファイドコミュニケーション)などに力を注ぐという。一方、S&Iは仮想化ベースでサーバーシステムの構築をデータセンターに提供することが強み。このコンピュータシステムとネットワークインフラの保守をユニアデックスが担当。ユーザーであるデータセンターにとっては日本ユニシスグループにすべてを任せられるわけだ。グループ内の再編で、グループ会社のポジションを明確化したことはビジネスを拡大するうえで大きい。

 日本ユニシスでは、「“ICTサービスの申し子”としての役割を果たしていく」(籾井社長)としており、要となるPWPの販売として2011年度(12年3月期)に300億円の売上高を目指している。そんななか、グループ会社がスムーズに連携できる環境を整備したことは大きな収穫といえそうだ。籾井社長は、「連結の営業利益で10%を目指す」方針を示している。