協業先15社選定、来年度から交渉

 東芝グループで情報システムの保守サービスを手がける東芝ITサービス(石橋英次社長)は、地方の中小企業向けビジネス獲得を狙いとして、各地域有力SIerとの協業に動く。同社は、約50万5000システムの運用・保守サービスを手がけているが、顧客の中心は東名阪など主要商圏が中心。運用・保守サービス提供体制を持たない地場SIerと連携することで、情報システムのアプリケーションの設計・構築は地場SIerが担当し、そのほかの設計・運用・保守サービスを東芝ITサービスが提案し受注に結び付けたい考えだ。

 同社が運用・保守サービスを提供する約50万5000システムを地域に区分すると、東京都内が16万3000で、東日本が15万7000、西日本が18万5000システム。突出して弱い地域はなく、全国に顧客が点在する。ただ、主要商圏に集中しており、「地方にはまだ潜在顧客が数多く残されている」(石橋英次社長)とみている。

 東芝ITサービスの事業は主に三つで、情報システムの運用サービスと保守サービス、ネットワーク構築。主軸の保守サービスで全売上高の約6割を稼ぎ、運用サービスとネットワーク構築はそれぞれ20%を占める。システム構築のうちアプリの設計・構築分野のSIは手がけていない。これらの上流ビジネスは、主に親会社の東芝ソリューションに任せている。アプリのSIは東芝ソリューションで、インフラの設計・運用・保守サービスは東芝ITサービスという2社連携でユーザー企業の情報システム全体をカバーし提案している。

 ただ、東芝ソリューションの既存顧客および新規開拓先は、主要商圏の中・大企業が中心となっており、地方の中小企業はメインではない。そのため、結果的に東芝ITサービスの顧客も主要商圏に偏っている。

 こうした状況を打開するために、東芝ソリューションとだけでなく、地方SIerとの協業体制にも動くことにした。東芝ソリューションの場合と同様に、地場の顧客にSIビジネスを展開している地場SIerと協業し役割分担することで、地方の中小企業向けビジネスを拡大したい考えだ。

 地場SIerにとっては、東芝ITサービスと連携することで、運用・保守サービスまで含めた総合提案ができるのがメリットになる。一方の東芝ITサービスは、地場SIer経由で運用・保守サービス案件を獲得できるようになり、販路を広げることを狙っている。すでに協業体制を築きたい地場SIerを15社リストアップしており、来年度(2010年3月期)から本格的な交渉を開始する計画だ。