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アイシロン 製品投入でDCを新規開拓 既存代理店で拡販を図る

2009/03/16 21:28

週刊BCN 2009年03月16日vol.1276掲載

データ管理の簡素化を実現

 大容量のデータ保存が可能なクラスタストレージメーカーのアイシロン・システムズ(瀧口昭彦社長)は、新製品として「NL」シリーズを追加し、データ量が拡大傾向にあるDC(データセンター)を新規顧客として開拓する。製品ラインアップの拡充により、既存販売代理店のビジネスチャンスの拡大につなげる方針だ。

 今回新たに市場投入した「Isilon IQ 36NL」は、データ管理容量として250TB~3456TB(テラバイト)に対応している。「ニアライン」と呼ばれる、あまり使われないが重要なデータを管理するのに適した製品という。DCを取り巻く環境は、膨大なデータ量の管理に追われている状況。米国本社のポール・ラザフォードCTOは、「このニアラインストレージ機器を導入することで、複数のアーカイブシステムを所有する必要がないため、データ管理の簡素化が可能になる」と、製品の特長を説明する。

 日本での拡販策については、「既存の販売パートナーで顧客企業を掘り起こす」としている。同社製品の有力販社として、東京エレクトロンデバイスやネットワーク・バリューコンポネンツなどのディストリビュータを確保している。「DC向け事業を拡大するうえでの販売体制は万全」と自信を示す。

 また、製品面の強化については、NLシリーズの発売に加えてアプリケーションのトランザクション処理に対応した「5400S」の販売を開始している。同製品により、「FC(ファイバーチャネル)ベースのSANなどといった煩雑な仕組みを構築しなくても済むようになる」とみている。また、同製品はインテル製CPUの採用でDCのエネルギーコストの削減につながるようだ。

 これまで映像やエンタテインメント分野などで導入されていたクラスタストレージが、最近になって大量のデータを管理するために適した製品としてクローズアップされつつある。同社では、こうしたニーズを踏まえて放送業界などを対象ユーザーとして捉えていたのを、一般オフィスまで網羅する方向に転換。それに合わせた販社強化策を講じ、DC分野で新規開拓を図る体制を整えた。(佐相彰彦)
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