SIerの情報技術開発(安永登社長)は、独自のソフト・サービスメニューを拡充する。医療業界向けITシステムの中核商材である電子カルテを自社のソフト・サービスとしてメニュー化したり、連結会計の経営シミュレーションなどの新商材を充実させる。これまでは認証システムなどセキュリティ分野の商材開発では実績を積んできたものの、全体的に品揃えに弱い面があることは否めなかった。今後は医療ITや連携会計分野へサービスメニューを順次広げることで、ビジネスの拡大を目指す。

 電子カルテは、富士通など大手ITベンダーが幅をきかせる市場で、新規参入は難しいとされてきた。だが、同社は九州の有力病院の電子カルテシステムの開発を請け負ってきた経験やノウハウを活用。自社のソフト・サービスメニューとして「横展開を目指す」(安永社長)と、電子カルテを必要とする他の病院への販売をもくろむ。景気後退で民需の大幅な伸びが当面期待できなことから、医療など公共性が高い分野でビジネスチャンスを掴む。不況の発端となった金融危機を受け、国際的な会計制度の見直しも進んでいる。こうしたことから、連結会計に関する商材拡充にも力を入れる。

 同社はここ数年、派遣型や下請け型のビジネスからプライム(元請け)型の受注形態へシフトする戦略を推進してきた。業務提携やグループ再編にも取り組む。独自のソフト・サービスメニューの拡充はこうした経営改革の一環だ。これまでの受託型から提案型のSIerへ軸足を移す重要な布石でもある。景気回復まで厳しい事業環境が続くことが予想されるが、ビジネス構造の改革や新商材の開発を進めることで「景気好転後に大きく伸びる」ための下準備を急ピッチで進める。(安藤章司)