宮城では「ITアドバイザー」配置

 ITを利活用して「地域活性化」を図ることを目指し、ITコーディネータ(ITC)を活用する自治体が増えている。これらの自治体では、生産性向上や業務改善などにITをうまく使えていない地元の中小企業や自治体のシステム構築を支援するため、「経営とITに精通」したITCを各種事業に登用する動きが活発化している。

 ITコーディネータ協会(関隆明会長)によると、宮城県はこのほど、県情報政策課内に外部人材としてITCを活用した「ITアドバイザー」を配置した。「ITアドバイザー」には、同県在住のITCでITコンサルタントの本田秀行・オフィスエヌ・ビー・アイ代表を任命した。本田代表は、県情報システムの企画・開発・運用の技術的なアドバイスや費用見積り、評価などを担当。計画的で効率的な業務推進を支援し、コスト削減を実現する役割を果たす。

 最近では、CIO(最高情報責任者)的な役割を果たす「ITアドバイザー」と呼ぶ人材を外部から招聘する自治体が増えている。本紙調べによると、長崎県や埼玉県の熊谷市、狭山市、東京都目黒区などで任命されている。また、横浜市神奈川区のように、住民登録などのシステム開発でITCを区役所とITベンダーの橋渡し役として「ITC横浜」の齋藤順一・未来計画代表を活用するなど、個別案件で登用する例は多くある(2008年3月10日号で既報)。ただ、宮城県のようにITCを「ITアドバイザー」に据えるのは全国的にも珍しい。

 一方、北海道庁は5月、「IT産業雇用確保・創出促進事業」の一環として、IT離職者にITC資格取得の支援を開始した。道内で活動するITCの数は、現在約100人。この8割が札幌市に集中しているため、今回の事業では旭川市や室蘭市など、札幌市に次ぐIT産業拠点などの地域で活躍できる人材を育成し、再雇用に結びつける計画だ。

 ITコーディネータ協会は「ITC資格者が広く自治体のIT推進を支援するのにふさわしい人材であることから、今後も全国自治体のITC利用を働きかける」と、すでに複数の自治体で宮城県や北海道のような動きが始まっているという。同協会では2年ほど前から、大学や自治体主催の中堅・中小企業の経営者向け講座で地域ITCを講師に派遣する活動を進めている。こうした活動が徐々に実を結び始めているようだ。(谷畑良胤)