PFU(輪島藤夫社長)は、自社開発の検疫ネットワーク製品2種類をバージョンアップし、7月下旬に発売した。企業ネットワークに接続を許可していないPCのアクセスを遮断するアプライアンス「iNetSec Patrol Cube」と、同製品の高機能版でソフト製品の「同 Inspection Center」をそれぞれ改良、新機能を追加した。両製品を連携させて、高いセキュリティレベルの検疫ネットワークを手間なく構築できるようにしたのが特徴で、検疫ネットワーク市場トップシェアの座を盤石にする。

 「iNetSec Patrol Cube」は、企業内ネットワークに接続を許可していないPCのアクセスを遮断する専用機器。未登録のMACアドレスから接続があった場合は、企業内LANなどに対して接続を不可能にする仕組みで、専用ソフトをPCにインストールする必要がなく、ブラウザから容易に登録できる。昨年11月に発売し、昨年度(2009年3月期)で200台を販売、20社に納入した。

 一方、「同 Inspection Center」は、「Patrol Cube」の高機能モデルでソフト製品。MACアドレス登録の有無だけでなく、最新のセキュリティパッチやウイルス対策ソフトの定義ファイルが適用されていない場合は遮断するなど、ユーザー企業のセキュリティポリシーに沿った項目で接続を制御できる。2004年の発売で、検疫ネットワーク分野では歴史を誇る製品だ。40万クライアント、120システムで運用されており、ソフトバンクテレコムや帝京大学などがユーザーとなっている。富士キメラ総研の調べでは、PC検疫(不正接続検知・遮断ツール含む)市場でトップシェア(29.0%、07年実績)という。

 新版では、「Patrol Cube」では固定IPアドレスを活用するユーザー企業向けの新機能として、IPアドレスが変更された場合はその変更情報を通知する機能を付加した。一方、「Inspection Center」は、検疫ネットワークの構築ニーズが高い大学の要望に応えて、Mac OSに対応した。

 共通の新機能として、両製品の連携動作を可能にした。「Patrol Cube」を活用して、まず未登録PCの遮断機能だけを利用していたユーザー企業が、ネットワークの構成を変更せずに、「Inspection Center」の管理サーバーを設置し、クライアントソフトをインストールするだけで、高いセキュリティレベルの検疫ネットワークを構築できるようにした。「他社製品も当社の旧版でも、検疫ネットワークを構築する場合はネットワークの変更が必須だった。しかし、連携動作によりネットワークインテグレーションがなくなり、導入期間は短縮でき、NIコストはなくなる」(PFU担当者)。

 両製品の価格は、1000クライアントの場合で638万円。別途保守費用がかかり、初年度は148万円。今後3年間で「Patrol Cube」1万台、「Inspection Center」のクライアントライセンス50万の販売を見込む。(木村剛士)