沖電気工業(OKI、川崎秀一社長)は、映像を使った会議システム「Visual Nexus」を中心に、さまざまな角度からアプローチしていく“ハイブリッド提案”で事業拡大を図る。他社の専用端末と互換性が高いことや、ウェブとテレビの中間製品として位置づけられることなどをユーザー企業に根づかせることによって、ローエンド製品からのリプレースに加えて新規顧客を開拓していく。すでに導入数が増えている状況で、2009年度(10年3月期)には前年度の10~20%増にあたる3000ライセンス規模を見込んでいる。

 「Visual Nexus」は高画質映像のHD(ハイ・ディフィニション)を搭載したビデオ会議システムで、最大16画面まで表示可能な多画面分割機能を備えている。ポリコムやタンバーグ、ソニーなど複数の会議システム専用端末と互換性があるほか、ソフトをダウンロードすればパソコンでウェブ会議ができる。通信システム事業部ビジュアルネクサス事業推進部営業チームの丸田雄介氏は、「テレビ会議とウェブ会議の中間の製品として位置づけ、ユーザー企業の開拓に力を注いでいる」としている。

 他社との差異化策となる最大の売りは、価格が安いことにある。テレビ会議システムは複数拠点でカンファレンスを実施できるものが多く、1台あたり1000万円規模というシステムが大手メーカーから発売されている。一方、OKIの会議システムは「案件によって異なるが、他社の半額程度に設定している」という。そのため、会議システムが高いことで導入をためらっていたユーザー企業に対して販売のアプローチをかけており、「競合他社のリプレース案件を数多く獲得している」と自信をみせる。ウェブ会議システムに比べると高いが、「ウェブを通じて会議を行っている企業の多くは一対一の会話が多い。そのような事情から、複数拠点で会議したいというニーズが出てきており、そのなかで安い当社製品の購入を検討してくれる」という状況のようだ。

 「中間の製品」を武器に、「価格が安く、高額な他社のテレビ会議システムと同程度の機能が使える」と提案することで、ユーザー企業を増やしている。最近では、「在宅勤務を推進するワークスタイルの変革をリーズナブルに実現できることをアピールしている」という。

 現段階では、販社経由の間接販売に重点を置いており、「当社はテレビ会議だけでなくネットワーク関連機器も揃えているため、販社にはインフラを含めたトータルソリューションが提供できることを訴えている」という。販社網が広がりつつあることから、ユーザー企業を拡大できると判断しており「今年度は成長率として15~20%増は固い」とみている。(佐相彰彦)