テレビ会議システムと組み合わせ販売も

 オーストリアに本社を置くヴォルフビジョンは、高精度プレゼンテーションツール「ビジュアライザー」の販売で、日本市場に攻勢をかけている。導入先は、自動車・電子機器メーカーや教育機関などが多く、最近は、裁判所の需要も取り込んでいる。

 「ビジュアライザー」は、書類などの平面物だけでなく、立体物もディスプレイやプロジェクター、PCの画面に精細に映し出すのが特徴だ。なかでもVZ-9シリーズは、デスクトップビジュアライザーの最上位モデルで、主力製品の一つ。レーザー光をワーキングプレートに投影し、カメラの撮影範囲を表示するほか、カメラは最大290度、照明は最大270度まで回転するため、後方・前方の被写体の撮影が可能となっている。PCのモニタ出力を「ビジュアライザー」の外部入力に接続できるのも利点で、ボタン一つで容易に切り替わる。熊谷博史・テクニカルマネージャーは、「外部入力画像を『ビジュアライザー』の解像度に変換するため、見た目がきれい」と話す。画像データは、その場で保存してプレゼンや講義で活用できる。

 製造業では、「ビジュアライザー」とテレビ会議システムを組み合わせて利用することによって、海外のEMS(電子機器の受託生産サービスを行う企業)とリアルタイムで検品のやり取りが可能となる。サンプルのPDFは、見映えをよくするために加工されている可能性があるが、こうした懸念も払しょくできる。海外出張費などのコスト削減だけでなく、商品の信頼性の向上にもつながるわけだ。裁判所向けの用途としては、裁判員制度で選ばれる裁判員などに対し、事件の証拠物を分かりやすく提示するために活用されるケースが増えてきている。

 同社のパートナー企業である販売特約店は、全国に数十社が存在し、ネットワーク構築に強いベンダーのほか官公庁や医学領域などを得意とするベンダーが揃う。「テレビ会議システムの付加価値や品質向上策の一つとして販売するケースもある」(菅尾健・ジェネラルマネージャー)。

 現在は、米国やシンガポール、イギリス、カナダにも海外拠点を設けている。従来は工業先進国が主な販売先だったが、今後は新興国での販売拡大も図ろうとしている。(信澤健太)

「ビジュアライザー」のデモ画面