BSLシステム研究所(小野秀幸社長)は、低価格版「かるがるできる」シリーズを業務ソフトウェア市場に投入し、攻勢をかけている。小野社長は、中小企業が不況の影響で元気を失い、「昨年は市場全体でみれば厳しかった」と振り返る。しかし同社は、市場の動向とは対照的に2009年度(10年3月期)売上高は対前年度比120%と増収増益を実現。低価格版「かるがるできる」シリーズの投入が奏功したといえそうだ。

昨年度、増収増益を実現

小野秀幸社長
 リーマン・ショック後の不況であえぐ中小企業。コスト削減、投資抑制の嵐が吹きすさんでいる。そんな悪環境のなかでBSLシステム研究所が成長を維持できたのは、低価格版の投入によるところが大きい。本数ベースで180~200%、金額ベースで100~120%という実績をあげたのだ。

 業務ソフトは、1万円未満を低価格帯とすれば、5000円未満は超低価格帯となる。「かるがるできる」シリーズは、1万円弱で提供していた時期があったが、「それでも価格に不満なユーザーがいた」(岡本真吏乃・経営企画室室長)ことから、3990円(税込)という超低価格版の投入に至った。超低価格帯で提供するため、大胆なコスト削減を実施。製品カタログは廃止した。パッケージをカタログ代わりにし、むしろ商品回転率があがっているという。この提供の仕方でも、とくにクレームは聞かれないそうだ。

 「かるがるできる」シリーズは、運用までの敷居が低いのが特徴。「現場の素人が使える」製品を目指している。「弥生は、会計事務所向け。(当社の製品は)友人に薦められて購入するケースが多い。会計事務所と顧問契約を結べないような小規模企業がユーザーの中心だ」。小野社長は、ライバルベンダーの弥生との違いをこう説明する。

 「かるがるできる」シリーズのほか、「普及版」と「プロ」を用意している。「普及版」は1万3440円(「青色申告らくだ2010普及版」は9800円、ともに税込)で、「プロ」は2万790円(「青色申告らくだプロ2010」は1万2800円、ともに税込)となっている。

 「かるがるできる」シリーズは、初めて起業した人向けで、「すぐ使える」ことを商品コンセプトとしている。最上位の「プロ」は、機能が充実した「安心感」を求めるユーザー向けだ。電話・メール・FAXサポートは無償で提供している。返品OKも謳い、「もともと当社が先に始めて、他社が後追いしている」と、小野社長はアフターサービスの充実度を自社の強みとして挙げる。「かるがるできる」シリーズのユーザーも利用できる。

 同社は、店頭販売が製品の販売総数の大半を占める。一方、ネット販売は毎年10~20%のペースで伸長。サポート人員を20~30%増強し、店頭販売の効率化を図ろうとしている。(信澤健太)