北陸電力グループの北電情報システムサービス(並木誠社長)は、今年の第二弾となる有力商材を投入した。インターネットを介してパソコン端末同士を直接結ぶP2P技術を駆使したテレビ会議システムで、音声や映像の遅延が極めて少ないのが特徴。富山県南砺市が実施した総務省の「地域ICT利活用モデル構築事業」を通じて開発した。

中村聡志・副課長
 同社は、クラウド/SaaS型の仮想専用サーバーのサービスを今年3月に始めたのに続き、4月からはP2P式テレビ会議システム「TAIMEN(タイメン)」の本格サービスをスタート。富山県・北陸地区は、製造業など国内外に事業所を展開する企業が多い。遠距離間で打ち合わせするケースが多いことから、北電情報システムも加わった「地域ICT利活用モデル構築事業」では、テレビ開発システムである「対面型オフィス間連携システム」を開発。全国展開やグローバル化を進める地場企業のニーズを具現化した。海外の事業所ともコストをかけずにコミュニケーションを図れる。「TAIMEN」は、このシステムをベースにして北電情報システムが商用化したクラウド/SaaS型サービスである。

 対面型オフィス間連携システムは、次世代インターネットプロトコルで、現行プロトコルよりセキュアな通信が可能なIPV6への対応を想定して開発した。商用版の「TAIMEN」ではIPV6の普及が遅れていることから実装を見送ったものの、「技術的な対応は可能」(北電情報システムの中村聡志・IPソリューショングループ技術チーム副課長)という。また、現在は月額契約のみのサービスメニューだが、今期(2011年3月期)の早い段階で、オンデマンド方式に対応する予定。ユーザーは、使いたい時に利用でき、使った分だけ料金を支払うオンデマンド方式での利用が可能になる見込みだ。

 販売にあたっては、ITベンダーや事務器系販社、医療・福祉ベンダーなどから販売代理店の引き合いが来ている。北電情報システムでは、仮想専用サーバーのサービスと同様の販売代理制度を「TAIMEN」でも構築していくことで、拡販につなげる方針。今年度末までには60契約、450IDの獲得を見込んでいる。(安藤章司)

P2P式テレビ会議システム「TAIMEN(タイメン)」で遠隔会議を開いている様子。遅延が少なく、クリアな音質が売りだ