ヴェクタント(有田大助社長)は、NTTドコモの「FOMAハイスピードエリア」に対応したデータ通信サービス「VECTANTセキュアモバイルアクセス3G」を提供、法人向け閉域モバイルサービスを強化した。主力のVPNサービスと“両輪”でユーザー企業を獲得していくことで、法人向けネットワークサービス事業の売上成長率20%増を維持する方針だ。

法人事業の好調は維持

 「VECTANTセキュアモバイルアクセス3G」は、MVNE(MVNOの支援事業者)の日本通信が法人向けデータ通信サービスとして提供している「I・Care3G」と閉域接続することにより、「FOMAハイスピードエリア」で下り最大7.2Mbps、上り最大2.0Mbpsと高速通信で社内ネットワークに接続可能なモバイルVPNサービスである。

 例えばユーザー企業の営業担当者は、外出先などでオフィスのデスクで業務するのと同様に社内ネットワークにアクセスできる。利用料金は定額制を採用しており、月額で1端末あたり5500円。ほかに、初期費用でUSBタイプの端末が1万4200円、事務手数料5600円/端末が必要となる。

 これまで、「FOMAハイスピードエリア」に対応していなかったので、同社では法人向け閉域モバイルサービスを「求めるユーザー企業があれば提案するという、企業内VPNサービスのオプションに位置づけていた」(首藤洋平・サービス統括本部サービス推進部ネットワークサービス推進課長)という。ただ、「モバイル端末で社内ネットワークにアクセスしたい」「リーズナブルに利用したい」などといった要望が出ていることから、対応エリアの拡大と料金定額制に踏み切った。

 当面は、VPNサービスで獲得した企業を対して提案していく。これにより、「ユーザー企業のなかで50社程度が導入を計画している」という。加えて、「VPNサービスとモバイルアクセスを組み合わせて新規顧客の開拓を図る」としており、ホスティング事業者をはじめ、SIerやNIerなど販売代理店とのパートナーシップを深めることで拡販していく方針。

 販路としてすでに20~30社を確保しているほか、「サービスを拡充したことによって、新しい販売代理店を増やすことができるはず」とみている。

 現在、同社のVPNサービスを中心とした法人向けネットワーク事業の売上高は前年比20%増で推移している。同社が特定の通信事業者に偏らない「キャリアニュートラル」という点と、大手競合と比べて「小回りがきく」ことから、ユーザー企業を増やした結果が成果となって現れているのだ。今後の売上成長率については、「引き続き20%増を維持できる」と自信をみせている。(佐相彰彦)