JCSSA(日本コンピュータシステム販売店協会=大塚裕司会長)は、恒例のサマーセミナーを6月8日に東京・帝国ホテルで開催した。セキュリティビジネスについての講演のほか、JCSSAとCSAJ(コンピュータソフトウェア協会)が共同で進めるシステム開発の契約に精通した人材を育成する「情報システム取引者育成プログラム」についての説明を行った。

 セミナーでは、まず最初にセキュリティ関連のコンサルティングを手がけるS&Jコンサルティング代表取締役の三輪信雄氏が登壇。「セキュリティビジネスはこう変わる~クラウドで激変するセキュリティサービス~」と題して、講演を行った。

 三輪氏は、国内のセキュリティビジネスの第一人者として業界をけん引してきた人物。セキュリティ監視・運用サービスを提供するラックの社長を務めた経験がある。今回の講演では、IPAの公表データなどをもとにセキュリティ市場の縮小状況や、投資に後ろ向きなユーザー企業におけるセキュリティ対策の実態などを説明。「これまでのように、何か不都合なことが起こるかもしれないと脅して、この製品を買ってくださいというような『ホラー営業』では、モノは売れない」とアドバイス。一方で、クラウド・コンピューティング時代の到来によって、これまでトレードオフの関係だったセキュリティと利便性を同時に高めるような仕組みが求められていると指摘した。

 続いて、アップデートテクノロジー社長の板東直樹氏が、JCSSAとCSAJが共同で進める「情報システム取引者育成プログラム」について紹介した。板東氏はCSAJ常任理事、経済産業省情報システム信頼性向上のための取引慣行・契約研究会委員、情報システム・ソフトウェア取引高度化コンソーシアム委員兼取引意識向上策検討ワーキンググループの主査を務める。

 「情報システム取引者育成プログラム」は、信頼性の高い情報システムの構築を実現するために経済産業省が発表したモデル契約に基づいて、情報システム取引のリスク、法務的な知識を有する者を育成する取り組みという。システム開発における契約では、不明瞭な契約によって、ユーザー・ベンダー間でトラブルが多発している。

 プログラムは、業界を取り巻く課題と行動指針について、ユーザーとベンダーのリテラシーギャップや、現行の取引慣行、法的責任や契約手順までをe-ラーニングなどで教え、試験を行い、資格認定するもので、7月からスタートする。板東氏は「対象者は経営幹部や法務・総務担当。また、営業責任者や開発責任者などにも学んでほしい」とアピールしている。(鍋島蓉子)

JCSSAセミナーの様子