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ジャスネット 不正クリック対策を広める 月額制の低料金で顧客開拓

2010/07/01 10:16

週刊BCN 2010年06月28日vol.1339掲載

 ジャスネット(加藤雄一社長)は、不正クリック対策が可能なアクセス解析サービス「X-log」をASPで提供、新規顧客の開拓を図っている。月額制の低料金で利用できることをアピールし、インターネット広告でのPRに力を入れている企業で、とくにSMB(中堅・中小企業)やSOHOなどに対して導入を促していく。

加藤雄一社長
 「X-log」は、同社が次世代アクセス解析と位置づけているASPサービスで、広告に対する不正クリックを防止することができるというもの。

 インターネット広告で1回あたりのクリックで課金される場合、クリック数が多ければ多いほど、広告主は広告掲載サイトに料金を支払うことになる。ビジネスにつながるのであれば、クリックが多いことはメリットになるが、購入意欲がなくて悪意のある第三者が何度もクリックする危険性がある。実際、そのようなケースで広告主と広告掲載サイトの間で揉めごとが起きているようだ。

 加藤社長は、「海外では、不正クリックは広告主側が防ぐという考えが根づいているが、まだ日本では希薄といえる。しかし、国内インターネット広告市場のうち、15%程度は不正クリックによるものだといわれている。余分な広告料金を支払う理不尽な状況は、広告主自らが打破しなければならない」と捉えている。また、「最近では利ざや目的で作られたアービトラージサイトが増えている状況。このサイトからの流入は、コンバージョンにつながるものではない。そのあたりを見極めなければならない」と指摘する。

 不正クリック防止として提供している機能は、不正クリックしている訪問者を識別して対策できること。動きが怪しいユーザーからのアクセスを止めることが可能で、地域や企業などを特定できることが特徴となる。また、広告リンクからの訪問者がIP変更を頻繁に行っているかどうかを判別できる機能も提供している。さらにラインアップとして、広告効果や売上高、コンバーションなどの分析で成長につなげる機能も揃えている。

 販売代理店は、現段階で候補を含めて30社程度に達しており、ASPサービスで提供していることから、システム構築の際に中堅SIerが付加サービスとしてユーザー企業に提案しているケースが多いという。この販売網に加え、「今後は、ユーザー層を広げるためにウェブサイトの制作会社やポータルサイト、リスティング広告代理店などとの連携を強めていくことを検討している」という。サービスのラインアップとして、一つの機能に絞った簡易版などを提供することも計画。「さまざま提供形態で、ユーザーへの認知度を高めていく」方針を示している。(佐相彰彦)
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