カシオ情報機器(前田憲一社長)は、零細企業に普及しているビジネス専用機システム「楽一(らくいち)」に、ホームページ(HP)作成などウェブサービス機能「Office WEB Service」を付加した新製品を発売した。楽一を導入した企業は、このサービスを使ってお買い物サイトを構築でき、商品を陳列して注文の取り込みができる。ここでの売り上げは、楽一内の販売管理システムに連動する。年間3000台の販売を目指すため、新規パートナーの獲得に乗り出した。

大口拓也 室長
 楽一は、納品書・売上帳・請求書などの販売管理や、会計・給与など基幹業務を中心にしたオフィス業務をワンパックにしたハードウェアとソフトウェア一体型の機器。新製品は4月に発売し、食品、建築、ガソリンスタンドなど、幅広い業種へすでに約200台を販売している。

 「Office WEB Service」には、ウェブページ作成用のテンプレートに従い、顧客がリアルタイムに販売したい商品を陳列できる。また、「カート機能」を搭載しており、閲覧者が商品を購入することができる。POP作成機能を使えば、商品陳列サイトにリンクしたQRコードを貼付したチラシの作成が可能だ。

 楽一を所有する零細企業のホームページ作成率は28%。開発の指揮を執った大口拓也・楽一営業統轄部企画室長は、「楽天などのEC(電子商取引)でお店を開くのにも苦労している企業に対し、その一歩手前の機能として、売上増に貢献するウェブ機能を付加した」と説明する。

 同社では、新製品を既存販社の約200社を経由した販売に加え、零細企業と取引のあるITベンダーを新規パートナーとして獲得することを目指す。「零細企業に接する機会が多く、ホームページ作成などを手がけるベンダーにアプローチしたい」(前田社長)と、従来とは異なる領域のチャネルへ食指を動かしている。新規チャネルとしては、会計事務所を顧客に抱えるTKCと、販売面で協業する計画だ。(谷畑良胤)