【上海発】有力SIerのDTS(西田公一社長)は、中国地場のIT投資需要獲得に力を入れる。これまで日本向けのオフショアソフト開発が、同社中国現地法人の売り上げの約3分の2を占めていたが、ここへきて中国地場向けのビジネスが好調に推移。現地法人では今期(2011年12月期)、地場向けビジネスが前年度比で50%ほど伸びる見通し。金融業やサービス業など、DTSの日本での優良顧客が相次いで中国での投資を増強。同社はこうした日系ユーザー企業のニーズを軸に、現地でのビジネスを拡大させる。

対日オフショアは微増に

高田政和総経理
 「顧客の行くところ、どこまでもサポートする」。DTS中国現地法人の高田政和・DTS軟件技術(DTS上海)総経理は、中国を突破口にアジア地域への進出に意欲を燃やしている。日本でのIT投資を減らし、中国で増やす日系ユーザーが多くみられ、この波に乗ることでビジネスを伸ばす。DTS上海は、昨年秋に上海に拠点を置く中堅SIerの明思軟件技術と、大連の大連思派電子に一部出資。システム開発の協力体制を強化した。自社ならびに協力会社合わせたSE・プログラマの動員可能数は直近で400人規模に達し、地場でのまとまった開発案件を受注できるようになった。今後は、北京など華北地域や、内陸部での開発体制の拡充を視野に入れる。

 また、グループ会社のアスタリクスが開発するSaaS型統合グループウェア「Bizca(ビズカ)」の中国での販売もスタート。SIや受託ソフト開発と並行して、自社グループのオリジナル商材の中国市場への横展開も急ぐ。日本の情報サービス産業は、明るさは見えつつあるものの、オフショア開発への発注を大幅拡大させるまでには至っていない。こうした影響もあり、DTS上海の日本向けオフショア開発は、「今期は前年度比でほぼ横ばいか微増」と堅く見積もっている。その分、中国での旺盛なIT投資を取り込み、DTS上海の売り上げ全体では、前年度比2割余りの成長を目指す。(安藤章司)