情報システムの運用・保守サービスなどの富士通エフサス(関根英雄社長)は、社内技術者区分と教育体系の見直しを今年度(2011年3月期)下期から始める。カスタマエンジニアやプラットフォームSEなどの従来の職種区分を廃止し、新たに5職種を作成して技術者を新区分に割り当てる。そのうえで、教育体系も見直す。専門技術を育成するプランとLCM(ライフ・サイクル・マネジメント)を熟知する専門家育成プランを新たにつくった。富士通エフサスは、情報システムの設計・構築から運用・保守までトータル提案するLCMサービスを強化中で、今回の見直しはその一環。

 今回の技術者区分と教育体系の再編は、富士通エフサスが中期戦略として掲げるLCMサービスの強化に基づくもの。同社は富士通製品を中心とした保守・修理サービスを強みにしている企業だが、5年ほど前から情報システムの運用代行サービスを強化。2~3年前からはシステムの設計・構築サービスにも力を注ぎ、システム構築から運用・保守までをトータル提案する「LCMサービス」を提供できる体制を築こうとしている。組織の再編や富士通との連携強化などで事業基盤を強化していたが、従来の技術者区分では、「LCMサービスを効率的に提供できない」(富士通エフサス広報部)と判断し、今回大規模な見直しに踏み切った。

 従来はプラットフォームSE(PSE)やカスタマエンジニア(CE)など四つの職種に技術者を大別していたが、今年度下期からは新たに作成した5区分によって技術者を分ける。具体的には、下図に示した5種類だ。「サービスアカウントマネージャ(SAM)」と呼ばれる技術者が顧客に提案する前線部隊の位置づけで、その後ろに「保守・サービス対応」「インフラ設計/プロジェクト対応」「バックラインサポート」「運用コンサル/支援」をそれぞれ担当する4職種が支える体制にする。そのうえで、職種に関係なく、富士通エフサスの全技術者の名称を「サービスアカウントエンジニア(SAE)」とし、従来以上に「顧客と密接した技術者」としてPRする方針だ。

 一方、教育体系の見直しでは、仮想化などの専門的な技術分野のスペシャリストを育成する「ITアーキテクチャ」と呼ばれる教育プランと、LCMサービス全般についてのスキルをもつ「サービスマネジメント」という2種類を新たに教育体系に用意した。それぞれでスキルレベルに応じて、1~4級までの階級を設け、それぞれに合わせた教育プランを作成する計画だ。

 富士通エフサスのような事業を手がける保守サービス会社は、コンピュータメーカー各社がグループ企業としてもつが、他社は富士通エフサスが従来手がけていた形で技術者を区分しているケースが多い。同業他社に先行する形で技術者の再編に取り組む。(木村剛士)