サイボウズ(青野慶久社長)は、2011年秋に提供を開始することを発表しているPaaS「kintone」の説明会を開催した。冒頭、青野社長は「もっと手軽に導入できるFast systemがあってもよいのではないか」と話を切り出し、「kintone」をフルスクラッチとパッケージの中間に位置する使い勝手のよい安価なシステムだと紹介した。

サイボウズ
青野慶久社長
 「kintone」は、Force.comやLotus Notesと同様に、企業のアプリケーション開発基盤となるPaaS。データベースとプロセス管理、コミュニケーションの三つの機能を提供する。具体的には、数値やイメージ、テキスト、ファイルなどの各種情報のほかに、個人の知識を蓄積して検索したり、再利用したりできる。業務フローを確実にリレーするためにプロセス管理を実施し、コミュニケーション機能でこれらを補完する。

 同社は、東日本のデータセンター(DC)と西日本のDCを借り、基盤であるIaaSを自社で設計、構築、運用している。SLAは策定中で、目標稼働率は99.9%。今年10月にISMS認定を取得する予定だ。

 青野社長は自前主義を採った理由について、「自社で技術を保持しておきたいという思いがある。ただ、今後も自社でIaaSを設計、構築、運用するかどうかはわからない。見極めを行う段階にある」と説明した。

 APIやアプリケーションマーケットプレイスなど、「kintone」の周辺にエコシステムをつくるための開発も進めていく方針。

 kintoneは、ウェブデータベース「サイボウズ デヂエ」の進化版という位置づけになる。コンサルティングパートナーと連携して、業務の可視化や改善、kintoneの利用方法などを提案していく。

 青野社長は、デヂエについて「他システムとの連携性を考慮していなかった。ダウンロード直販が中心で、価格設定やパートナーづくりにも難があった」と反省を口にした。価格は、Force.comの3分の1以下を検討しているという。(信澤健太)