東京・港区の六本木アカデミーヒルズで開催中の「BCN Conference」。情報サービス産業協会(JISA、浜口友一会長)の藤岡秀樹技術委員会ソフトウェアエンジニアリング部会先端技術調査ワーキンググループ座長が、「クラウドコンピューティングが情報サービス事業者に与える影響とビジネス拡大に向けての提言」と題するセッションを行った。提言では、情報サービス業のカスタムソフト開発やパッケージソフト開発、ハードウェア販売のいずれの業態でも「クラウドを活用することで、プラスの効果が見込めることのほうが多い」と、クラウドに前向きに取り組むべきだとしている。

 SIerのインフラ開発部門では、クラウド上にある潤沢なITリソースを必要なときに必要なだけ活用でき、アプリケーション開発では開発環境をクラウド上に設けることでコスト削減につながる。保守サービスについても検証マシンを削減できるなど、「メリットのほうが多く、積極的に活用すべき」とした。

JISAの藤岡秀樹技術委員会ソフトウェアエンジニアリング部会先端技術調査ワーキンググループ座長(日立ソリューションズ)

 課題としては、クラウドのSLA(サービスレベル・アグリーメント)のユーザーへの提示項目の過不足や、料金体系の設定、少額の月額費用になった場合の回収方法など、主に営業や契約などの実務面での課題が挙げられる。藤岡座長は、「とりわけSLAは、クラウドサービスを提供する事業者ごとに異なり、比較がしにくい」と、一定の指針が必要だとの考えを示した。

 国内の情報サービス市場が伸び悩むなかで、クラウド市場は年率およそ30%で伸びているという集計がある。藤岡座長は「数少ない有望分野で、ビジネスチャンスとして生かしていくことが大切」と、クラウド活用への期待を語った。(安藤章司)