トレンドマイクロ(エバ・チェンCEO)は、3月26日、2012年の事業戦略説明会を開催した。大三川彰彦副社長は、「エンタープライズ向けソリューション事業を強化することによって、日本ビジネスの売上高を(2011年の約490億円から)2016年までに780億円に伸ばしたい」と、積極的な攻勢に出る姿勢を示した。

エバ・チェンCEO

 説明会の前半、エバ・チェンCEOがトレンドマイクロのグローバルでの重点分野を語った。

 まず、クラウドコンピューティングの普及を受けて、「Smart Protection Network」のコンセプトの下、クラウド環境向けセキュリティの展開に力を入れる。さらに、社員が個人所有の端末を社内ネットワークに接続し、業務に活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」の増大に対応し、モバイル端末向け管理製品の拡充に取り組む方針だ。

 チェンCEOは、「2008年からクラウド関連製品を提供し、2010年の第4四半期から、これらの製品は急速な伸びをみせている。全社売上への貢献度はまだ小さいが、引き続きクラウド関連の製品開発への投資を重視し、『クラウド』を今後のビジネスの柱にしたい」とした。

 トレンドマイクロは、登記上の本社を東京に置きながら、チェンCEOは台湾・台北市など世界各国にオフィスを構えるという特殊な体制をとっている。そして、このほど日本地域担当の大三川氏が副社長に就任し、全世界でのコンシューマ向け事業の統括や、南アジアでのビジネス立ち上げの指揮を執ることになった。

大三川彰彦取締役副社長

 大三川副社長は、日本のビジネスについて、コンシューマ向け事業とライセンス型/SaaS型の法人向け販売の従来事業を維持し、5%程度で拡大しながら、新規分野としてエンタープライズ向けのソリューションの展開を方針に掲げる。すでに昨年8月には、営業部隊とモニタリング部隊、サポート部隊を統合し、システムインテグレータ(SIer)を通じて事業展開を包括的に手がけるソリューション事業本部を新設している。

 大三川副社長は、「ソリューション事業では、これまでの約9か月でおよそ140社の案件を獲得することができた。サービスとサポートだけで数千万円の契約をいただいているケースが多く、ソリューション事業のポテンシャルの大きさを肌で感じている。この分野を成長エンジンに、2016年に日本ビジネスの売り上げを780億円に伸ばしたい」と目標を語った。(ゼンフ ミシャ)