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A10ネットワークス エンタープライズ市場を開拓 新認定プログラムで販社を獲得
2013/04/25 18:31
週刊BCN 2013年04月22日vol.1478掲載
社長
A10は、新しいパートナー体制を構築して、エンタープライズ市場の開拓に取り組んでいく。製造や金融などの業種を中心に、従業員500~1000人の企業に対してロードバランサの納入を目指す。
これまで大規模なネットワークを有する通信キャリアを主なターゲットとしてきたロードバランサメーカーは、エンタープライズ市場に注目するようになった。一般企業も、スマートフォンの社内利用などによってネットワークのインフラを強化する必要があるので、トラフィックの負荷を分散して効率的なアプリケーション配信を実現するロードバランサの需要が高まりつつあると捉えている。
しかし、企業向けの展開は、通信キャリアと比較して、案件単位の売上規模が小さい。したがって、案件の数をどれほど増やすことができるかがカギを握る。
A10は、新しい認定プログラムの展開によって、現在の販売パートナー10社に加え、年内に新たに20社のパートナーの認定を目指している。4月上旬に、大手システムインテグレータ(SIer)のSCSKを新規パートナーとして獲得した。A10の小枝逸人社長は、「SCSKを通じて、約200社の2次店にアクセスすることができるようになる」と満足げだ。
同社は、国内に限らず、台湾やASEANでも事業を拡大させている。昨年10月に技術者認定制度を開始し、現時点で、日本を含めたアジア地域でおよそ100人の認定技術者を有している。また、10月をめどに、アジアのパートナーサミットを開催。各国で販売パートナーへの支援を強化する。
調査会社のIDC Japanによると、国内のロードバランサ市場は、活況を呈している。売上高ベースの市場規模は、2011年の238億円から、16年までに約350億円に拡大する見込みだ。市場が伸びるなかにあって、メーカー間の競争が激化している。A10は「販社に対して声を発し続ける」(小枝社長)ことによって、自社の存在をアピールしていく。(ゼンフ ミシャ)
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