ロードバランサ(負荷分散措置)を展開するA10ネットワークス(A10、小枝逸人社長)は、パートナー体制の強化に取り組んでいる。ビジネスの柱である通信キャリア向け展開に加え、エンタープライズ領域の開拓を狙う。このほど、新しい認定プログラムを開始し、営業やマーケティングの支援を拡充。年内に20社の新たなパートナーの獲得を目指す。

小枝逸人
社長
 A10は、これまで個別に提供してきた技術認定プログラムを統合して、販売パートナーの営業・マーケティング活動を支援する。A10側でパートナーを集中的にサポートする営業担当者を設定するほか、セールスツールを提供したり、技術トレーニングを実施したりする。

 A10は、新しいパートナー体制を構築して、エンタープライズ市場の開拓に取り組んでいく。製造や金融などの業種を中心に、従業員500~1000人の企業に対してロードバランサの納入を目指す。

 これまで大規模なネットワークを有する通信キャリアを主なターゲットとしてきたロードバランサメーカーは、エンタープライズ市場に注目するようになった。一般企業も、スマートフォンの社内利用などによってネットワークのインフラを強化する必要があるので、トラフィックの負荷を分散して効率的なアプリケーション配信を実現するロードバランサの需要が高まりつつあると捉えている。

 しかし、企業向けの展開は、通信キャリアと比較して、案件単位の売上規模が小さい。したがって、案件の数をどれほど増やすことができるかがカギを握る。

 A10は、新しい認定プログラムの展開によって、現在の販売パートナー10社に加え、年内に新たに20社のパートナーの認定を目指している。4月上旬に、大手システムインテグレータ(SIer)のSCSKを新規パートナーとして獲得した。A10の小枝逸人社長は、「SCSKを通じて、約200社の2次店にアクセスすることができるようになる」と満足げだ。

 同社は、国内に限らず、台湾やASEANでも事業を拡大させている。昨年10月に技術者認定制度を開始し、現時点で、日本を含めたアジア地域でおよそ100人の認定技術者を有している。また、10月をめどに、アジアのパートナーサミットを開催。各国で販売パートナーへの支援を強化する。

 調査会社のIDC Japanによると、国内のロードバランサ市場は、活況を呈している。売上高ベースの市場規模は、2011年の238億円から、16年までに約350億円に拡大する見込みだ。市場が伸びるなかにあって、メーカー間の競争が激化している。A10は「販社に対して声を発し続ける」(小枝社長)ことによって、自社の存在をアピールしていく。(ゼンフ ミシャ)