日本IBM(マーティン・イェッター社長)は、CEO(最高経営責任者)やCMO(最高マーケティング責任者)など、ユーザー企業の「CxO」(経営幹部)に向けた提案活動を本格化する。オープン・プラットフォーム「Power Systems」や垂直統合型システム「PureSystems」の新製品を10月9日に発表。ユーザー企業でのデータ分析・活用のニーズを狙い、業績の改善を目指す。

 10月7日、都内のホテルで開いた記者会見で、マーティン・イェッター社長が日本IBMのビジネス戦略の概要を語った。2012年5月に社長に就任してから、2回目の会見対応だった。司会進行役は、これまでの広報担当ではなく、日本IBMのジョン・ロビソン専務執行役員。司会進行をすべて英語で行う異例の形式で、日本IBMの“国際色”をアピールした。

 日本IBMは外資系企業らしく、秘密主義も強めている。会見の冒頭と質疑応答の前に、2回も「業績に関する質問は一切受け付けない」(ロビソン専務)と断って、プレゼンテーション内容は技術の優位性や市場動向にとどまった。1年ほど前に開かれた1回目のイェッター社長の会見では、地方拠点の開設など、具体策にも触れたが、今回は日本IBMの課題やそれらの解決策についての発言はなかった。

 イェッター社長は、就任から約1年半の実績について、「日本ビジネスは安定してきた。やることはまだたくさんあるが……」とコメント。とくにデータ分析・活用に対する需要が旺盛と捉え、9日に発表する新製品ポートフォリオをもって、「ビッグデータ」に高い関心を示すユーザー企業の「CxO」たちを攻めていく。12年7月に関西や東北に開設した地方拠点の状況については、「地方拠点も、東京本社も順調だ」と硬い声で短く答え、日本IBMにとって地方市場の開拓がなお課題であることをうかがわせた。(ゼンフ ミシャ)

マーティン・イェッター社長