日系企業の海外進出支援を行っているイグレック(八剱洋一郎社長)は、10月9日、インドへの進出を検討している日系ITベンダーなどを対象としたイベント「インドITフォーラム『特別編』」を東京・九段のインド大使館で開催した。イベントでは、講演のほか、名刺交換会やインド料理の食事会が行われた。

 講演の第一部では、住友商事海外工業団地部第一チームの信田剛希部長付が、インド進出の魅力と進出にあたっての注意点を解説。魅力として、2025年にはアジア・アフリカの中間層の人口の3分の1をインド人が占めるようになるなど、内需が拡大していること、インド南部を中心に国内2か所目の拠点を設けるメーカーが増えており、供給拠点としてすぐれていること、人件費・原料費が安く、中近東・アフリカへの輸出拠点となる可能性があることの三つを挙げた。

 注意点としては、インドに登記簿制度がなく、土地をめぐって予測していない事件が起きやすいことや、法税制度が複雑なことを挙げた。信田部長付は、「例えば、工業団地に入居したところ、土地所有者を名乗る現地人が現れて、裁判所に訴えられるというケースが頻発している。これは、インドに登記簿制度がなく、所有者がはっきりしていないからだ。これを防ぐには、土地所有者であることを自分で証明するしかない。具体的には、最低でも過去30年間の土地取引の書類をすべて見つけて確認することが必要だ」と説明した。

住友商事海外工業団地部第一チームの信田剛希部長付

 第二部では、日本に進出しているインド企業、日本インフォビューテクノロジス、ウィプロ、キタテックの3社が、自社のプレゼンテーションを行った。

 日本インフォビューテクノロジスは、SAP ERPの開発・保守やiOS/Andoroidのアプリケーション開発のほか、自社プロダクトとしてPOSシステムなどを提供している。ナタラジャン・スブラマニア代表取締役は、「日系企業の海外進出サポートも行っている。インドと日本の窓口のようなもの。海外拠点の設立や運営など、困っているときには相談してほしい」と話した。

日本インフォビューテクノロジスのナタラジャン・スブラマニア代表取締役

 ウィプロは、57カ国に拠点をもち、約15万6000人従業員を抱えるインドの大手IT企業。このうちの約1500人のエンジニアが日本向けプロジェクトに参加しており、250人は日本語を話すことができる。ビジネスアプリケーションサービスグループのSreenivas Unnamaltaゼネラルマネージャーは、「最近は、インドの内需の高まりを受けて、これまで当社の顧客だった企業から、逆に当社にリセラーになってほしいという要望が増えている」と現状を語った。

ウィプロのビジネスアプリケーションサービスグループのSreenivas Unnamaltaゼネラルマネージャー

 キタテックは、日本の中小企業向けにインド進出の支援を行っている。Harsh Obroi社長は、「コンサルティングは前払いの必要はなく、6~9か月の分割でいい。中小企業の負担にならないよう、最大限考慮している」とアピールした。

キタテックのHarsh Obroi社長