5月27日、米ブルームバーグは、中国政府が国内の銀行で稼働しているIBM製のハイエンドサーバーを撤去し、中国製に置き換えようとしていると報じた。中国人民銀行や財政省などの中国政府機関は、中国の商業銀行がIBM製サーバーを利用することで、金融に関わる安全性が損なわれていないかを調査しているという。これについて、中国の商業銀行と取引がある日系IT企業の総経理は、「事実であり、今後5年間で撤去するように、すでに書面で通達が出されている」とコメントした。

 ブルームバーグは、中国人民解放軍の将校5人が米企業のコンピューターに不正侵入して機密情報を盗んだ罪で米司法省に刑事訴追されたことに対する中国政府の報復措置の可能性があると報じている。すでに5月16日には、中国政府が政府機関で使用するPCにマイクロソフトの最新OS「Windows 8」のインストールを禁止する通達を出している。

 さらにブルームバーグは、5月28日、中国サーバーメーカーの浪潮集団が、米IBMから顧客を奪うための販売促進活動を開始したと報じた。浪潮集団は、中国市場でIBMからシェアを奪うキャンペーン「IBMから浪潮へ」を打ち出しているという。

 本件が日系IT企業のビジネスに与える影響について、前出の総経理は、「こうした通達はこれまで何度も出されており、はたして本当に市場に影響があるのかは疑問」とした。IBM中国と競合関係にある別の日系IT企業の幹部は、「どこまでの範囲で影響が出るかはわからないが、協業ビジネスが大きく伸びることは期待しにくい」としている。(上海支局 真鍋武)