【ワシントンD.C.発】米マイクロソフト(サティア・ナデラCEO)のパートナー向け年次イベント「Worldwide Partner Conference 2014(WPC 2014)」が、現地時間の7月14日、米ワシントンD.C.で開幕した。世界約140か国から集まったパートナーに向けて、今年度(2015年6月期)の戦略を4日間で解説し、浸透を図る。
初日の基調講演は、ケビン・ターナーCOO。ここ数年のWPCでは、CEOが初日の基調講演のスピーカーを務め、ターナーCOOは3日目に登場していたが、今回はナデラCEOが3日目に登壇する予定で、代わりにターナーCOOが初日に壇上に上がり、1時間10分にわたって熱弁を振るった。

大きな声で参加者にマイクロソフトとの連携のメリットを訴えたケビン・ターナーCOO

基調講演会場には、約140か国のパートナーが集った
メガトレンドは五つ セキュリティを追加
冒頭、ターナーCOOは、今年2月に就任したナデラCEOが打ち出した「モバイルファースト」「クラウドファースト」というキーコンセプトを強調したうえで、ITビジネスを成長させるカギになる五つのメガトレンドを紹介した。
「これまで掲げてきた『クラウド』『モバイル』『ソーシャル』『ビッグデータ&BI』に、今年から『セキュリティ』を加えた。これらのトレンドは、過去にはないビッグチャンスを私たちとパートナーにもたらす」と話し、それぞれのトレンドでのマイクロソフトの優位性を語った。

これまでのメガトレンドに「セキュリティ」を加えた
「クラウド」では、世界17か所にクラウドを提供するリージョンを設けている点などを強調。また「モバイル」では、ノキアの携帯電話事業部門の買収効果が順調に出ている点と、「Windows Phone」を活用するパートナーが着実に増えている点をアピールした。モバイルデバイスを効率よく管理する「Enterprise Mobility Suite」というソリューションにも言及した。

クラウドを提供するために全世界に用意したリージョン

ノキアの携帯電話事業部門の買収によってラインアップした「Windows Phone」

「Windows Phone」で協業するパートナーを紹介
ターナーCOOは、ライバルに後れを取っているモバイル端末にも言及。全世界・全デバイスのなかで、マイクロソフトのシェアは14%という数字を披露した。「PCでは90%を超えるシェアをもっているものの、全デバイスでは14%程度。この数字は、私たちが挑戦者であることと、将来に大きな可能性があることを意味している」と説明した。

全世界・全デバイスでのマイクロソフトのシェアが14%であることを通じて「挑戦者」を強調
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