【済南発】NECグループのソフト開発会社、NEC軟件(済南)(木田橋龍総経理)が、中国国内向けビジネスを強化する。木田橋総経理は、「日本向けオフショア開発は引き続き拡大していくが、ニアショア開発や自社ソリューション販売を次の成長の柱として育てたい」と意欲をみせる。

 NEC軟件(済南)は、NECソフトの100%出資の中国現地法人として、2005年1月に設立。現在、自社に約600人、協力会社を含めると約800人の開発人員を確保している。13年度(13年12月期)の売上高は約1億5000万元で、ほぼすべてがNECグループから受注するオフショア開発事業だ。

 日本へのオフショア開発案件は、昨年度は前年度比5%ほどで伸びたが、円安や人件費の上昇によって、大きく増加する状況にはない。木田橋総経理は、「最近は、中国のオフショア開発に従事する開発者が減り始めている。一方、国内向けビジネスを手がけるIT企業に転職する開発者が増えている」と危機感を募らせる。

 そこでNEC軟件(済南)は、中国国内ビジネスを強化することで、持続的な成長を図る。戦略は大きく分けて二つ。一つは、NEC信息系統(中国)やNEC卓越軟件科技(北京)など、中国国内のNECグループ企業からのニアショア開発案件の獲得だ。北京や上海などに拠点を置くグループ企業もソフト開発でのコスト上昇に苦しんでおり、より低コストで提供できるNEC軟件(済南)への委託が期待できるというわけだ。

 二つ目が、自社ソリューションの販売だ。NEC軟件(済南)は、山東省立病院と共同で、病院の利用者がスマートフォンから問診する部署を検索したり、予約したりできるシステム「掌上医院」を開発し、14年に稼働を開始。さらに、工場を抱える製造業向けの設備点検パッケージも開発している。木田橋総経理は、「こうした自社ソリューションを、まずは山東省内の病院や企業に対してアプローチしていく」と構想を語る。山東省以外の地域では、NEC(中国)など、グループ企業と連携して販売していく。(上海支局 真鍋武)

木田橋龍総経理