【オースティン発】米デル(マイケル・デルCEO)は、11月4日に開幕した年次イベント「Dell World 2014」で、パートナーへの複数の新支援プログラムを発表した。ここ数年、チャネルビジネスを強化して、全売上高のうち40%がパートナーを経由した間接販売のデル。新プログラムで、パートナーをさらに手厚く支援する。

チャネルビジネスの占有率は前年から10ポイント増

 デルは、2007年にチャネルビジネスを全世界で強化する方針を固めて実行してきた。約7年が経過した現在、パートナービジネスが占める比率は全体の40%。前年よりも10ポイント伸びたという。

 今年で4回目を迎えるDell Worldは、例年以上にチャネルビジネスを強化する姿勢が鮮明で、デルの経営幹部はチャネルビジネスが好調に推移していることと、今後も引き続きパートナーを重視する考えを共通して口にする。

 グローバルでチャネルビジネスを統括するシェリル・クック・バイスプレジデントは、「安定的でシンプルな私たちの協業プランをパートナーが高く評価してくれ、後発でも存在感を示すことができ、『エンゲージしやすい企業』と言われるようになった。約1年前に完了した株式の非公開化によって決断のスピードが速くなり、お客様第一主義で行動できるようになったことも成長を支えている。全売上高の成長率よりも、チャネルビジネスの伸び率のほうがはるかに高い」と自信を示す。 

シェリル・クック・バイスプレジデント

 一方、南アジアとAPJ(アジア・パシフィック&ジャパン)地域のチャネルビジネスを担当するティアン・ベン・ナグ・バイスプレジデント兼マネージングディレクターは、「APJ地域のチャネルビジネスの成長率は全世界のそれよりも高く、APJ地域の売上高のうち、50%はパートナー経由だ。フィリピンやベトナム、インドネシアといった新興国は、100%チャネルビジネスだ」と、APJがとくに好調なことを強調した。 

ティアン・ベン・ナグ・バイスプレジデント兼マネージングディレクター

新報奨金制度や「Windows Server 2003」からの移行支援などを開始

 デルは「パートナービジネスで稼いだ利益をパートナーに再投資する」(クックバイスプレジデント)考えで、今回のDell Worldで複数の新たなパートナープログラムを発表した。内容は以下の通り。

(1)デルのストレージソリューションを販売する「Premier」と「Preferred」パートナーに対し、新たな報奨金制度を2015年2月に北米で開始

(2)クライアントとエンタープライズ関連製品で一定の水準を超える実績を上げたパートナーに対する報奨金の拡充

(3)「Windows Server 2012 R2」「Windows Server 2012 R2 Datacenter」への移行を支援するツールを提供

(4)検証・デモ用の貸出機器を増やすために、関連する投資を2倍に増強

(5)米国とカナダ、一部の欧州諸国で昨年度20億ドル以上の売り上げを達成したパートナーに対して、11月4日(現地時間)からの180日間に購入したデル製品に75日間無金利の融資を提供

 これらの取り組みを推進するために、デルは世界で1億2500万ドルを投じる。

 さらに、既存のパートナープログラムのコンピテンシー制度に「クライアントソリューション」「ワークステーション」「ストレージ」「アイデンティティ」「アクセス管理」を追加し、北米で2015年2月1日に開始する。その後、世界に順次展開する予定で、時期は未定だが、日本でも展開する予定だ。

 自社開発、企業買収を問わず、自社の製品ポートフォリオが増え、その一方でユーザー企業の要望も多岐にわたる。直販だけでは顧客の満足度を上げるには限界があると判断したデル。ビジネスの拡大にパートナーの存在は必須で、その考えが年間最大の自社イベントにも色濃く出ている。(木村剛士)