台湾情報サービス業界は、ASEAN華人経済圏への進出拡大に強い意欲を示している。華人経済圏はマレーシアやシンガポール、インドネシアなどの一部に形成されており、同じ華人文化を共有する台湾にとって、ASEAN華人経済圏へのアクセスが有利なことが、この動きの背景にある。

 ポイントは台湾の情報サービス業界が、日本や米国との連携を重視している点である。日本のITベンダーは、ASEAN市場への投資意欲が旺盛で、投資体力を有するケースが多い。だが、ASEAN経済の一翼を担う華人経済圏に十分アプローチできているかといえば、必ずしもそうではない。そこで有力な選択肢となるのが台湾情報サービス業界との協業だ。

 台湾の情報サービス業界団体である中華民国情報サービス産業協会(CISA)の邱月香理事長は、「台湾の情報サービス企業は世界トップクラスの技術力があり、同じ華人文化を共有していることから、日本の情報サービス業とASEAN華人経済圏との橋渡し役を担うことができる」という。台湾企業単独でも進出できるが、日本のITベンダーの資本力を取り込んだほうが、ASEANで有利にビジネスが展開できると踏んでいる。(安藤章司)