セゾン情報システムズ(宮野隆社長)は、主力商材であるデータ連携ツール「HULFT(ハルフト)」をASEANで本格展開する。今年1月、シンガポールに現地法人を設立することを決定して、現在、人員体制の構築に取り組んでいる。4月に営業を開始し、初年度は営業やサポートなど、スタッフ5人を配置する予定。ASEANビジネスを手がける日本のシステムインテグレータ(SIer)と協業して、HULFTを日系企業に売り込む。同社は、HULFT事業の海外売上比率を10%に引き上げることを目標に掲げており、その半分をASEAN諸国で稼ぐ構想を立てている。(ゼンフ ミシャ)

内田和弘
取締役
 パッケージソフトウェア製品で、ファイル転送やデータ変換ができるHULFTの導入企業数は現在、約8000社。とくに大手企業で普及が進んでおり、日本で年商トップ500社のうち、およそ70%がHULFTを採用しているという。

 セゾン情報システムズは、2014年12月、多言語機能を備えるなど、グローバル対応した最新版を投入し、これを商材にASEAN市場の開拓に動く。同社は、ASEAN進出を加速している日本企業の多くが国内でHULFTを導入していることから、「ASEANでも製品を提案しやすい」(HULFT事業部の事業部長を務める内田和弘取締役)と判断して、シンガポール現地法人の体制を固めるとともに、SIerとの提携に向けて商談を詰めているところだ。

櫻井泰子
マネージャー
 ASEANでのクラウド型展開にも取り組む。「SIerなど、パートナーのリソースを含めて、HULFTの機能をインターネット経由で届ける」(内田取締役)という体制を築く。月額課金で小規模な海外拠点でも導入しやすいようにすることで、販売の活性化を狙う。当面は、日本のSIerを主な販売パートナーとするが、将来は現地のSIerとも提携し、販売網を拡大する。2年後には、「ASEANが半分を占める」(同)かたちで、HULFT事業の海外売上比率を10%に引き上げる方針だ。

 セゾン情報システムズは、国内でHULFTを採用し、ASEANに進出している日本企業は約700社とみる。これまでもHULFT製品を海外で提供してきたが、認知度が低いこともあり、本格的な普及につながらなかった。そこで、今回、シンガポール法人を設立して、現地での存在感を高め、販売拡大を促す。

 HULFT事業部マーケティング部の櫻井泰子・グローバルビジネス開発マネージャーは、「日本ブランドの強さを生かしつつ、現地の情勢を理解し、提案活動に力を入れていきたい」と語る。