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サイバネットシステム 3次元公差マネジメントツールを長安自動車に納入 中国法人は顧客の9割がローカル企業に

2015/04/23 18:59

週刊BCN 2015年04月20日vol.1576掲載

【上海発】CAE(Computer Aided Engineering)ソリューションを手がけるサイバネットシステム(田中邦明社長)のグループ会社、米シグメトリックスの3次元公差マネジメントツール「CETOL 6σ(CETOL)」が、中国の大手自動車グループ、重慶長安汽車(長安自動車)の研究開発部門に採用された。同製品は、2014年に長安自動車グループ子会社の長安新能源汽車が導入済み。今回、その導入の成果が高く評価されて、利用範囲が本社にまで拡大した。(真鍋武)

莎益博工程系統開発
(上海)
飯田将史
首席執行官
 「CETOL」は、3次元CADのアドオン環境で、要求品質や設計仕様を満たすための適切な寸法公差あるいは幾何公差を検討・設定する公差設計を行うツールだ。自動車や航空宇宙、重工業、電機、工作機械などの業種の設計・生産技術の現場で活用されている。

 サイバネットシステムの中国現地法人、莎益博工程系統開発(上海)の飯田将史首席執行官は、「製品の機能や品質に加えて、充実したサポート体制が高く評価された」と今回の導入経緯について説明。長安自動車は、「CETOL」だけでなく、莎益博工程系統開発(上海)が強みとしているエンジニアリングサービスも採用している。

 飯田首席執行官によると、「中国では、現在、CAEの認知度が高まっており、市場はまさに成長期にある。とくに需要が旺盛なのが、自動車産業だ」という。競合関係については、「CAEの分野では高機能・高品質が要求されるため、競争相手になるのは、グローバルベンダーの場合がほとんど」と説明。安価な製品を提供できるローカル企業が競争優位に立っているわけではなく、外資系企業でも比較的ローカル市場に参入しやすい環境にあるようだ。

 こうした市場環境の下、莎益博工程系統開発(上海)は、ローカル企業を主要ターゲットに据えている。同社は現在、約35人の従業員を抱えているが、飯田首席執行官を除いた従業員全員が中国人で構成されている。顧客に占めるローカル企業の比率は9割に達しており、顧客数は年平均30~40%ペースで増えている。

 サイバネットシステムの中国を含むアジア地域の売上高比率は2014年度(14年12月期)が4.4%。20年度に、これを10.9%への拡大を目指す。
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外部リンク

サイバネットシステム=http://www.cybernet.co.jp/