カシオ計算機は、5月12日、現社長の樫尾和雄氏が会長に、専務執行役員で和雄氏の長男である樫尾和宏氏が社長に就任する人事を発表した。2015年6月26日に開催予定の定時株主総会後の取締役会で正式に決定する。

社長に就任する予定の樫尾和宏氏(左)と樫尾和雄氏

 発表に伴って開かれた記者会見では、和雄氏が「当社は今年度を最終年度に据えて営業利益率を15%まで引き上げる『V15』計画を掲げ、それが達成できる見通しだ。ただ、達成後はどうするのか。そのために向こう3年間で、売り上げを5000億円、営業利益を倍増の750億円を目指すことにした」と、現状と今後の目標を述べたうえで、「その目標を新体制で実現する」と、社長交代の理由を説明した。

樫尾和雄氏

 和宏氏が社長に就任後、1年間は和雄氏が代表権をもつ会長であり、またCEOとして新社長をフォローする。「1年間でめどがつけば、後は新社長に託す」とした。和雄氏は、1988年に社長に就任して以来、27年間、トップとして経営の舵を取ってきた。来年度には、実質的に今までの体制の終止符を打つことになる。

 会見には、和宏氏も登壇して「全力で努力する。今日の当社があるのは、カシオファンがいるからこそ。ファンの期待を超える製品を開発する」と意気込みを語った。同社は、「時計」「コンシューマ関連製品」「法人向けシステム」の提供を三本柱に据えている。ただ、最近では時計の収益が高く、「偏りがある」(和宏氏)。そのため、「デジタルサイネージ」「リスト端末」「人材開発」などをテーマに新規事業に着手しており、この3分野で新しい製品を市場に出していく方針だ。

樫尾和宏氏

 和宏氏を社長に選んだ理由については、「実力があったから。長年、一緒にやってきた結果、社長としてふさわしいと判断した」(和雄氏)と、同族経営を継続するための人事ではないことをアピール。「二人三脚で当社を成長させることができる」(同)としている。(佐相彰彦)