IDC Japan(竹内正人代表取締役)は、国内IoT(Internet of Things)市場で製品・サービスを提供する主要事業者の取り組みについて、分析結果を発表した。

 今回の調査でIDC Japanは、IoTを「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイス(モノ)からなるネットワークのネットワーク」と定義し、国内IoT市場で製品・サービスを提供する主要な外資系事業者の業績動向、ビジネス戦略、顧客動向、販売戦略、今後の展望などについて調査した。その結果をもとに、外資系事業者のIoTに対する取り組みについて日系事業者と比較し、類似性と相違性を分析した。

 IDC Japanによれば、外資系事業者は国内IoT市場で、(1)導入産業分野の拡大(2)導入目的・導入用途の拡大(3)導入機器・導入地域の拡大――という三つの方向に進んでおり、日系企業と類似した傾向にあるという。その背景として、製造業や運輸業など長年にわたってIoTを利用している市場がある程度一巡してきていること、分析技術の向上によって新たな用途にIoTの採用が広がっていること、グローバルなIoTプラットフォームが増加していることなどを挙げている。

 国内IoT市場の将来展望については、これまでIoTを積極的に活用してこなかった産業分野での競争が加速するほか、ビジネスモデルの創造力や実行力が重要となる、とIDC Japanでは推測している。また、デバイス・コネクティビティに関わるセキュリティへの懸念も徐々に高まるとしている。こうしたなかで外資系事業者は、ビジネスモデルの構築の巧みさ、新しい技術に対する先見性とその実用化のスピード感、スケールメリットやオープン性を生かしたアプローチ、セキュリティに対する理解と経験の深さなどから、市場をリードしていくと予測している。

 IDC Japanコミュニケーションズのマーケットアナリストである鳥巣悠太氏は、外資系事業者が国内IoT市場でビジネスを展開するには、「スケーラビリティとローカリゼーションのバランスを加味したビジネス開発や、IoT向けセキュリティの事前組み込みと啓蒙の強化が重要」としている。一方、日系事業者に対しては、「『地の利』を生かしたエコシステム形成や、『Fail Fast』の精神を基軸にビジネスモデルの明確化を進めていくことが肝要になる」と指摘している。(前田幸慧)