NEC(遠藤信博社長)は、IoTを活用した次世代ものづくりソリューション「NEC Industrial IoT」の提供を、6月16日から順次開始すると発表した。ドイツや米国を中心に、IoTによる製品やビジネスモデル変革への取り組みが活発化しており、日本の製造業においても、競争力強化や取引先の要求への対応などの観点から、IoT活用の機運が高まりつつある。

NEC 松下裕・執行役員エンタープライズBU担当(副)

 NEC Industrial IoTは、「現場・現物・現状のデジタル化」、「見えない・隠れた世界を見通す」、「ITとOT(Operational Technology)の連携」、「製品・サービスのスマート化」の4つのIoT活用ポイントに対して、NECが強みとする画像認識やビッグデータ分析、SDN、組み込みシステムなどの技術を活用した各種ソリューションを体系化したもの。画像識別技術を利用した製品の個体識別システムやビッグデータの分析技術を生かし、製品の品質・性能の予測や設備機器の異常を検知するシステムなどがあり、現場・現物の実態把握や製品品質の向上、生産性の効率化をねらう。NECではIoT活用を実証し、そこで得た知見をNEC Industrial IoTの各ソリューションに反映させていく。

 また、パートナー企業や顧客との連携を強化し、提供する価値の拡大を目指す。特に顧客企業との関係においては、サプライチェーン改革のノウハウなどを提供している「NEC ものづくり共創プログラム」を強化する。具体的には、会員数を今年度中に、562社1471人(2015年5月末現在)から1000社3000人まで拡大させる。また、8月よりNEC Industrial IoTを推進する組織「Industrial IoT分科会」を設立し、課題の研究や関連省庁・団体との情報交換、連携に取り組む。

 NECの松下裕・執行役員は、「今後提供する生産領域向けのソリューションは、すべてNEC Industrial IoTの体系となる」と述べ、製造業の情報システムをトータルでカバーする商品群としてNEC Industrial IoTを展開していく。また、日本の製造業を強化するため、「顧客とともにIoTを活用した次世代ものづくりを共に創り出していきたい」と、思いを語った。

 NECは、NEC Industrial IoT関連事業で、2015年度から2018年度までの4年間の累計売上2000億円を目指す。(前田幸慧)