韓国で最大手通信キャリアのSKテレコム(張東鉉社長)は、「T open lab」に災難安全通信網(災難網)関連技術の開発と試験を目的とした「災難網Testbed」の構築を発表した。災難網は警察、消防、鉄道、地方自治体など国家機関の無線通信網を一つに統合し、国家的被害を最小限に抑えるための韓国国家推進事業だ。

 2003年の大邱地下鉄火災事件、2014年の世越(セウォル)号の沈没事故で、機関ごとの異なる通信システムが妨げになり、救助活動が大幅に遅れ、多くの死傷者を出した。これらの事故を受けて、韓国政府は統合した通信システムの構築の必要性に迫られ、国家災難安全通信網の事業を立ち上げることにした。

 T open labは、SKテレコムの研究・開発のインフラを中小・ベンチャー企業に開放することによって、研究開発コストの削減や独創的なアイデアの創出を支援するものだ。T open labに、各種端末、基地局、計測器、コアシステムなど、テストするための災難網Testbedを完備した。

 SKテレコムは、携帯電話市場シェアで国内1位を誇る。2001年から海外市場の開拓に積極的に乗り出す一方で、国内では有線・無線通信の既存サービスのほかに、無線インターネット事業、コンバージェンスサービスなどの新規事業にも参入している。

 SKテレコムは広い分野で韓国国内の中小企業と協力して開発を行ってきた。今回の災難網Testbedの構築が、災難通信産業の育成とPS(Public Safety)─LTEエコシステムの構築に拍車をかけるきっかけになる。(文/鄭麗花)