【上海発】キヤノン(中国)(小澤秀樹董事長)が、中国でのネットワークカメラ事業に本腰を入れ始めた。代理店販売ビジネスを主体としており、すでに現地のSIerやディーラーなど、約20社のパートナーを獲得。2016年内には、これを倍増させる計画を打ち立てている。(真鍋武)

安東隆行
網絡可視化解決方案項目総経理
 キヤノン(中国)では、2011年末にネットワークカメラ事業の専門部隊を設置して、中国国内での営業を開始。当初は、中国大手ディストリビュータの神州数碼(デジタルチャイナ)を総代理店として流通させていたが、2013年に総代理店制度を廃止し、現在はSIerやディーラーなど、キヤノン(中国)と直接代理店契約を結んだパートナーを通して、不動産やショッピングモール、ホテル、オフィスなどに約10製品のネットワークカメラを提供している。

 パートナーは、既存の法人事業である事務機器の代理店とは種類が異なる。映像処理ソフトウェアや映像データ保存サーバー構築、映像解析ソリューションなど、ネットワークビジュアルソリューション(NVS)を得意とする企業が大部分を占めている。

 中国のネットワークカメラ市場では、ハイクビジョンやダーファといった世界大手だけでなく、安価に製品を提供する地場メーカーが多数存在し、キヤノン(中国)は後発企業だ。価格面で競合に勝つことは難しく、動体検知や持ち去り検知などのインテリジェント機能も、競合がこぞって力を入れており、差異化が難しい。

 安東隆行・網絡可視化解決方案項目総経理は、「当社製品の強みは、高品質で安心・安全に使えること。オートフォーカス精度やズーム速度、暗闇での視認性など、性能も優れている」と説明し、品質・性能で差異化を図る。例えば、210万画素モデルの「VB-H43B」では、光学20倍ズームに対応し、拡大した映像でも鮮明に人物を映すことができる。また、ほとんどの中国メーカーの製品保障が1年間なのに対して、キヤノン(中国)では3年間保障を提供している。

 グループ間での連携も進めている。キヤノン本社が2014年6月に買収したマイルストーンシステムズの映像管理ソフトウェアは、今年からキヤノン(中国)で取り扱いを開始。さらに、今年2月に買収を発表したアクシスコミュニケーションズとの中国での連携もすでに進めており、安東・総経理は、「彼らは中国で100製品ほど扱っており、これを当社が販売するなどして、提案のカバレッジを広めたい」としている。

 調査会社のテクノ・システム・リサーチによると、2014年の中国のネットワークカメラ市場規模(出荷金額ベース)は、13億1000万米ドル。18年には、46億米ドルに拡大する見込みだ。キヤノン(中国)は、、パートナー整備やグループ連携、製品強化などを通して、シェア獲得を狙う。