富士ソフトグループでCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)を強みとするサイバネットシステム(サイバネット、田中邦明社長)は、情報セキュリティやIT基盤の領域で、富士ソフトグループとの連携強化を加速させている。同社は、CAE絡みのIT基盤やエンドポイント(パソコンやスマートデバイスなどの端末)向けの情報セキュリティ事業を拡大させることで、データセンター(DC)や基幹系のセキュリティ事業に強い富士ソフト本体のビジネスとの親和性を高めようとしている。

サイバネットシステム
小谷知哉
常務
 具体的には、クオリティソフトのIT資産管理「ISM CloudOne」と、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのハードディスク暗号化ソフトを組み合わせて、「ISMディスク暗号化」のオプション機能を追加するといったパッケージベンダーとの技術協力を推進している。また、マルチデバイス対応IT資産管理・セキュリティ対策「PC&モバイル管理サービス」のオプション機能として、新しく「ユーザー操作ログ取得サービス」や「ハードディスク(HDD)暗号化」を追加するなど、矢継ぎ早に新商材を発表している。

 サイバネットは、前述のパッケージソフトベンダー製品の代理販売に長年の実績をもっており、「既存のパッケージソフトをうまく連携させ、ユーザーにとってより使いやすい、オールインワンの商材開発に力を入れていく方針」(小谷知哉・常務執行役員ITソリューション事業部事業部長)と話す。同時に、こうした領域を広げていくことによって、サーバーやクラウドなど基幹系システムの領域に強みをもつ富士ソフトとの連携がより容易になるとみている。

 CAEはコンピュータで製品設計やエンジニアリングに関する機密情報を扱うため、整合性のとれたIT基盤と情報セキュリティが強く求められる。近年ではデータをクラウド上に展開し、グローバル規模でCAE情報を共有するユーザー企業も増えている。こうした状況で、サイバネットと富士ソフトの接点となるのが、IT基盤やセキュリティとなるわけだ。

 基幹系システムは、エンドポイントと常に一体となって機能するものである。既存パッケージを巧みに活用して、独自のエンドポイント・セキュリティ商材を開発するサイバネットと、システム構築やクラウドを含む基幹系システムの構築に長けた富士ソフトのビジネスをシームレスに連携させることで、「サイバネットの多くの既存ユーザーに、より安心してシステムを使ってもらえる環境を、富士ソフトグループ全体として提供できる」(同)ことを狙う。

 足下のサイバネットのセキュリティ・IT基盤系の売り上げ規模は、サイバネット全体の売り上げの10%あまりを占めるまでに拡大してきている。サイバネット全体では、2020年までに直近の約2倍に相当する300億円まで売り上げを伸ばす中期経営計画を立てている。セキュリティ・IT基盤系のビジネスも同様に「倍増させていく」(同)と意気込みを示している。(安藤章司)