中国のIT企業が、続々とスポーツ関連のITビジネスに着手し始めた。動画配信事業などを手がけるインターネット企業の楽視網信息技術(Letv)は、今年8月、自転車メーカーの飛鳩集団と連携して、スマート自転車を発売した。同自転車には、タッチパネル式のコンピュータを搭載しており、位置情報(GPS)機能を活用して走行距離や走行経路を記録したり、センサによって乗車している人の心拍数をタイムリーに測定して、ギアを自動調整できる。8月19日に受注を開始し、すでに初回受付量の49万台が完売した。

 スマートフォンメーカーの小米科技(Xiaomi)は、スポーツ用品メーカーの李寧(LI-NING)と連携して、7月にスマートシューズ「LI-NING SMART」を発売した。シューズに埋め込んだセンサとスマートフォンアプリを連携させて、走行距離や経路、消耗カロリーなどが記録できる。ランニング時の姿勢や、走行中の左右の足にかかる負荷なども管理可能だ。

 9月8日には、アリババグループがインターネット企業の新浪、投資会社の雲鋒と共同出資して、スポーツ専業の新会社「阿里体育集団」を設立した。スポーツイベントなどの運営や放映、チケット販売、新たなスポーツビジネスの開発など、スポーツ関連事業をトータルで展開し、スポーツ産業の新たなエコシステムを構築する構想を打ち出している。

 中国のIT企業が、スポーツ関連のITビジネスに積極的に取り組む背景には、中国政府の政策がある。中国国務院は、昨年10月に「加快発展体育産業促進体育消費的若干意見」を発表し、2025年までに中国のスポーツ人口を5億人に、スポーツ産業生産高を5兆元規模に拡大する目標を掲げた。さらに今年からは、あらゆる産業のIT活用を進める「互聯網+(インターネット+)」政策が推進されている。中国のIT企業は、IT活用によってスポーツ産業を発展させる“互聯網+体育”を実現しようとしているのだ。(真鍋武)