広島大学(越智光夫学長)は、9月24日、学内基幹システムなどを利用するための全学的なIT基盤である「電子計算機システム」を、日立製作所(日立、東原敏昭社長兼COO)が提供するクラウド環境へ移行し、9月1日に利用を開始したと発表した。

システム概要図

 「電子計算機システム」は、さまざまなパブリッククラウドやオンプレミスの仮想化基盤など、特徴の異なる複数のクラウドを適材適所で組み合わせて、統合的な管理・監視、利用を行うフェデレーテッドクラウドを実現した全国でも先進的な事例。今回の移行により、広島大学はIT基盤全体を統合的に管理・監視するとともに、用途や必要に応じて最適な環境を組み合わせて利用することが可能となる。

 広島大学では、これまで文部科学省の「アカデミッククラウドに関する検討会」やアカデミッククラウド環境の構築に関する研究事業に参画するとともに、広島大学のIT基盤のクラウド化や、全学生が自身のPCから大学のクラウドを利用できる環境づくり、また日本全国の大学、研究機関などの学術情報基盤である「学術情報ネットワーク」(SINET)など、学外システムとの連携を検討してきた。

 こうした背景のもと、広島大学は「電子計算機システム」のクラウドへの移行を検討するなかで、多種多様なニーズに応じたメニューを提供する日立のクラウドを採用し、複数のクラウドの利用と統合的な管理・監視が可能なフェデレーテッドクラウドを実現した。

 これにより、従来は個別に構築、管理していた各システムのITリソースを、必要な性能やセキュリティレベルに応じて、占用型パブリッククラウド、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどの共用型パブリッククラウド、オンプレミスの仮想化基盤などから柔軟に選択することが可能となった。具体的には、アクセスの集中が想定される学内基幹システムには、高速データ処理が可能な占用型パブリッククラウドを利用し、実証実験時などに一時的なシステム領域の拡張が必要な場合には、短納期かつ低コストで利用できる共用型パブリッククラウドを利用する。

 また、同システムでは、日立の「フェデレーテッドポータルサービス」と「フェデレーテッドクラウド監視サービス」を活用し、各クラウドの一元的な管理・監視を行う。これにより、従来、広島大学の職員がシステムごとに対応してきたITリソースの調達業務や複雑なシステムの運用・管理業務を大幅に効率化する。

 なお、同システムはSINETに接続しており、学術認証連携基盤「学認(GakuNin)」と連携した認証を実現しているため、他大学のシステムとの接続やデータ共有も可能となっている。

 広島大学は今後も、ITシステムの強化を推進し高度な研究・教育に活用していくとともに、他大学との連携によりアカデミッククラウドの実現を図っていく。日立は、今後も広島大学でのIT活用の深化を支援するとともに、今回のフェデレーテッドクラウドを構築したノウハウを活用し、多様化する大学のニーズに応えるソリューションを提供していく。