米シスコシステムズと浪潮集団(Inspur)は、中国に合弁会社を設立する。資本金は1億米ドルで、出資比率はシスコシステムズが49%、浪潮集団が51%となる予定。合弁会社では、インターネット・データセンター(DC)・クラウドサービス・IoT(Internet of Things)領域の製品・技術を研究開発し、中国市場向けに提供していく。

 シスコシステムズにとって、今回の合弁会社の設立には、苦戦を強いられていた中国市場での巻き返しを図る狙いがある。2013年のエドワード・スノーデン氏による「PRISM事件」以降、中国政府は国産IT製品の導入を強く推進しており、外資系ITベンダーは、政府機関や国有企業向けのローカルビジネスを独資でやりづらい状況となっている。調査会社のIDC中国によると、2015年上半期のシスコシステムズの中国ネットワーク設備市場シェアは、2013年上半期比で9.1ポイント減の19.4%と下落。一方、華為技術(ファーウェイ)や鋭捷(Ruijie)、中興通迅(ZTE)などの国内メーカーの市場シェアは、同19.1ポイント増の46.3%と拡大している。

 こうした背景のもと、シスコシステムズは今年6月、中国市場に対して、今後数年間で100億米ドル規模の投資を行うことを発表した。同投資に関しては、中国国家発展改革委員会(NDRC)との間で覚書を締結している。今回の合弁会社設立は、その一環として行うものだ。浪潮集団は、中国の大手ハードウェアメーカーで、ハイエンドサーバー「天梭K1システム」を筆頭に、中国市場での存在感を急速に高めており、シスコシステムズは同社と手を組むことで、ローカル市場で製品をより販売しやすくなる。IDC中国では、「シスコシステムズは再び政府関連の市場に戻って、成長軌道に乗ることができ、浪潮集団もサーバーとネットワーク機器を組み込んで販売し、新たな売上高につなげられる。第一段階として、両者の協力ビジネスは政府と金融業界に集中するだろう」と分析している。(真鍋武)