【上海発】11月3日~7日、上海で「2015中国国際工業博覧会」が開催された。中国国家発展改革委員会や商務部、工業和信息化部などの政府部門が主催する中国の工業界最大の年次イベントで、第17回目となる今年は、中国国内外から約13万6000人が来場した。ITの専門展示会も行われ、商機に漕ぎつけようとするITベンダーの姿も見られた。(真鍋武)

大規模なブースを構えていた日立グループ

中国工業界最大のイベントに国内外から関係者が集まった

 イベントのテーマは「スマート技術が開く“中国製造2025”」。中国では、2015年5月に「中国製造2025(中国製造業10か年計画)」行動計画が国務院によって発表され、米国やドイツ、日本に並ぶ“製造強国”の仲間入りを目指して、製造業の高付加価値化に向けた産業革新が進められている。同計画では、現在0.95%程度である企業の研究開発投資(対売上高比率)を、20年に1.26%、25年には1.68%程度に引き上げることを目標としており、10大重点分野の一つとして「次世代情報技術」を指定。情報化と工業化の融合(中国版Industry 4.0)やモバイルインターネット、IoT(Internet of Things)などを推進している。IT企業にとっては、工業向けビジネスの商機拡大が見込まれる。

 イベントでは、「情報通信技術応用展(ITCS)」と題したIT専門展示会も開催され、中国の3大通信キャリアや華為技術、万達信息など、100社程度のIT企業が最新ソリューションを展示した。日系では、日立グループが出展。ビジネスメディアサービス「TWX-21」や、SAP HANAソリューション「Live in Five」、浙江省嘉興市と連携して提供しているパブリッククラウドサービス「Hi-Cloud+」などを紹介した。

 ただし、IT企業の期待とは裏腹に、産業用ロボットなどの製造設備を中心とした展示会場と比べて、「ITCS」の会場内は観覧者が少なく、盛り上がりに欠けた。重点分野に指定された「次世代情報技術」だが、来場した工業関係者のITに対する関心は、まだそれほど高まっていないようだ。