デル・ソフトウェア(中村共喜社長)は、中小企業向けUTM(統合脅威管理)/無線LAN製品「SonicWALL TZ」シリーズの新製品を発売した。中小規模の事業所や行政施設、SOHOなどでの利用を想定したセキュリティ製品で、「SonicWALL」で培った次世代ファイアウォール技術を中核としながら、無線LANやVPNなどの多彩なネットワーク機能をワンボックスに集約しているのが特徴。

 処理性能により5モデルが用意され、「SOHO」(ユーザー数10人以下を想定)および「TZ300/400/500」(モデルにより10~150人程度を想定)には、無線LANアクセスポイント機能を統合している。これ1台を設置するだけで、社内ネットワークへの不正侵入、外部への情報漏えいなどへの対策を講じるとともに、無線LANやリモートアクセスなどモバイルワークの環境を整備できる。また、TZ300/400/500では、ノートPCやタブレット端末などで対応製品が広がりつつある高速通信規格「IEEE802.11ac」に対応し、モバイル端末での業務をより快適に行うことができるようになる。

 クラウドの利用が拡大したことで、中小企業のネットワーク機器にも、高い性能が求められるようになったほか、サイバー攻撃手法の高度化、マイナンバー制度の開始などで、セキュリティ製品への需要が高まっている。今回発表のSonicWALL TZシリーズでは、SSL暗号化通信の解析・フィルタリング性能を向上させており、クラウドサービスを通じた攻撃や情報漏えい、暗号化通信を用いた不正な遠隔操作などの防止策にもなる。

 デル・ソフトウェアの藤岡健・セキュリティ営業本部本部長は「マイナンバーを扱う人事・給与システムの前に設置して、社内ネットワークのセグメント分けを進めたり、自社と協力会社の間をVPNでつなぎ、外部にも限定的なアクセスを提供するといった使い方も増えている」と話し、従来UTM製品が主なターゲットとしていた中小企業や地方自治体に加え、最近では大企業の支社や部門での導入も拡大していると説明する。

 競合に対する優位性には価格帯性能比の高さを挙げる。UTMは不正侵入防止やアンチウイルスなど多数のセキュリティ機能を搭載しているが、複数の機能を同時に使用すると性能が低下する製品も存在すると同社は指摘し、それに対してSonicWALL製品はすべての機能をオンにした状態でも高いスループットを得られると強調している。

 同社では、少なくとも来年前半までは、マイナンバー導入前後のセキュリティ製品需要が続くとみている。また、他社製品取り扱いリセラーのパートナー網への取り込みやIoT時代を見据えてOA機器メーカーとの協業なども拡大し、UTM市場でのシェア拡大を狙う。(日高彰)
 

「SonicWALL TZ」シリーズの新製品を発表する藤岡 健・セキュリティ営業本部本部長