【烏鎮発】12月16日、浙江省・烏鎮で、中国政府主催のインターネットに関する国際会議「世界インターネット大会」が開幕した。大会を通じて、中国主導でインターネットの国際的なルールづくりを進める狙いがある。開幕式では習国家主席が基調講演し、減速傾向にある中国経済を成長させる原動力として、インターネットによる産業改革を強固に推し進める意向を示した。

開幕式で基調講演する習近平国家主席

 習国家首席は、「“デジタル中国”の建設を推進し、共有経済を発展させて、インターネットにもとづくさまざまな革新を支援し、発展の質と効果を向上させる」と述べた。中国政府は、2015年に「互聯網+(インターネット+」行動計画を掲げ、あらゆる産業のインターネットを活用したモデル転換を推進している。12月14日には、「国務院の『互聯網+』行動の積極推進に関する指導意見」を発表し、18年までの全体目標を明確化した。とくに製造業と中小企業のインターネット化に重点を置く計画だ。

 また、習国家首席は、「中国のインターネットの発展は、各国の企業と創業者に大きな市場をもたらした。中国の開かれた門は永遠に閉じることはなく、外資利用の政策が変わることはない。外資企業の合法的な権益の保障が変わることはなく、各国企業の中国での投資・事業に対して、よりよいサービスを提供するという方向性も変わらない」として、外資企業に対して市場を開放する姿勢を示した。ただし現状は、中国のインターネット市場が十分に開放されているとはいえず、例えばクラウドサービスを提供するため必要なICP(Internet Content Provider)ライセンスは、事実上、外資系IT企業では取得できない状態だ。15年には、同ライセンスを奇跡的に取得していた日中合弁企業が、政府関係者から「外資が入っている」と圧力をかけられ、日系の資本を引き抜かざるを得なくなるという事態も生じていた。

 このほか、習国家首席は、「法にもとづいた良好なインターネット秩序を構築し、インターネット空間を“無法地帯”としない」と述べ、政府批判などに対するインターネット規制を強める考えを示した。中国国内では、現在も一般回線ではFacebookやTwitter、Googleが使用できない状況が続いている。

 なお、「世界インターネット大会」は18日まで開催される。世界約120か国・地域からおよそ2000人が参加しており、外国の指導者はロシアのメドベージェフ首相ら8人が出席。IT企業では、IBMやマイクロソフトなどが参加している。日本の政府・IT企業関係者は姿をみせていない。
(上海支局 真鍋武)