エプソン販売(佐伯直幸社長)は2月4日、大容量インクタンクの「エコタンク」を搭載したインクジェットプリンタを発売した。ファクス/スキャナ機能をもつA4カラー複合機「EW-M660FT」(予想市場価格5万円台半ば)、スキャナ機能をもつA4モノクロ複合機「PX-M160T」(同2万円台後半)、A4モノクロプリンタ「PX-S160T」(同1万円台後半)の3機種を用意し、個人およびSOHOユーザーを主なターゲットとして販売する。

 一般的なカートリッジ交換式の製品とは異なり、本体内の大容量タンクにボトルから注入することでインクの供給を行う。各機種とも本体同梱のインクだけで1万ページ以上の印刷が可能で、別売りの追加インクボトルもカートリッジに比べて印刷1枚あたりの価格は大幅に安いため、低コストで大量の印刷が可能になる。

 コストに敏感な新興国では以前から、プリンタを改造して大容量タンクを装着し、安価なサードパーティのインクを注入して使用するユーザーが多く存在した。エプソンではその需要を取り込むため、2010年のインドネシアを皮切りに、世界約130の新興国で大容量タンク搭載機種を販売してきた。14年には西欧、15年には北米でも発売し、主要国では日本が最後の市場投入となる。高い印刷品質が求められる日本では、慎重な需要の見極めが必要なため発売までに時間を要したという。

 このクラスのプリンタでは、本体価格が安価なのに対し、消耗品の利幅が大きく設定され、交換用インクカートリッジが利益の大半を生み出す事業モデルが一般的だった。エコタンク搭載の新製品はこの収益形態を大きく変えるものだが、エプソンではインク切れを気にせず大量の出力が可能な環境を提供することで、プリント需要自体の拡大をねらう。(日高 彰)

エプソン販売の佐伯直幸社長(左)とセイコーエプソンの久保田孝一常務