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現代経済研究院 AIの現状を分析、囲碁対局で関心が高まる

2016/03/31 19:08

週刊BCN 2016年03月28日vol.1622掲載

 現代経済研究院(韓国民間経済研究所)は3月14日、AIに関する研究レポート「VIP REPORT」を発表した。

 2015年の世界人工知能市場規模(IDC調べ)は約1270億ドル(約14兆円)で、17年には1650億ドル(約19兆円)に達すると予測。一方、韓国(未来創造科学部調べ)は、13年の3兆6000億ウォン(約3424億円)であったのが、17年には6兆4000億ウォン(約6086億円)になるとした。ただ、AI産業の拡大には一部の大手IT企業を中心に投資や研究開発が進められているのが現状だ。韓国政府のAI分野への年間投資計画は380億ウォンで、米国やEU、日本などの先進国には及ばない規模だ。さらに、米国や日本、韓国、PCT(国際特許)の四つのデータベースによると、AI関連特許件数は1万1613件で、韓国は全体の3%しかなく、米国の20分の1レベルにとどまると指摘した。

 VIP REPORTでは、投資拡大やスマート型交通制御システム、公共データの開放など、AI研究に活用できる公共部門の支援インフラを早期構築する必要があるという。グローバル市場で主導権を確保するには、民間機構のAIエコシステムの形成やAI専門家の育成、関連法案の整備が急務であるとしている。

 AIソフト「AlphaGo」とトップ棋士のイ・セドル九段の囲碁対局で、韓国政府のAIへの関心が一気に高まった。AI先進国との技術格差を縮め、早期に市場参入を果たせるか期待がかかる。(文/鄭麗花)
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