新日鉄住金ソリューションズ(謝敷宗敬社長)が、電子契約サービス「CONTRACTHUB@absonne(コントラクトハブ・アット・アブソンヌ)」の拡販に注力している。注文書、請求書、秘密保持契約書など、従来は紙で交わしていた契約文書を電子化するソリューションで、押印、発送、保管といった取り扱いの手間が削減され、印紙税が不要となることから、契約業務のスピードアップとコスト圧縮が可能という。

 同社では、グループ内企業やパートナー企業との間で取り交わす文書の電子化に2010年から着手し、現在では月3万件の文書を電子契約システム上で扱っている。このシステムを外販向けとしたのがCONTRACTHUBで、同社のクラウド基盤を利用したSaaSの形態で2013年から提供している。

 対象となる文書は見積書や領収書、覚書なども含むあらゆる契約文書のため、業種を問わず導入が可能だが、外注契約が日常的に発生するITや建設業、他店舗展開する小売業、契約業務の多い不動産業などで需要が大きい。ITインフラソリューション事業本部営業本部でマーケティングを担当する鈴木智美氏によると、「実際に導入したお客様からは、印紙よりもスピードアップやコンプライアンス強化の効果をとくに評価いただいている」といい、印紙税削減目的で導入したユーザーも、書類の返送待ちによる契約滞留の解消、遠隔地を含む全社の書類を即座に確認できることによる統制強化などを大きなメリットとして感じているようだ。この春のバージョンアップで新たにスマートフォンからのアクセスに対応し、店舗や作業現場での契約書の確認や、個人事業主との書類の授受がより便利に行えるようになった。

ITインフラソリューション事業本部 ITサービスソリューション事業部の
齋木康二エキスパートと同事業本部 営業本部の鈴木智美氏

 導入にあたって企業の現場で課題となるのが、“ハンコ文化”の業務スタイルからの脱却だ。手作業で署名・押印した文書がなくなることへの心理的抵抗感に加え、財務・法務部門からは「この文書を電子化して、法的に問題はないのか」という声もあがる。ITサービスソリューション事業部の齋木康二エキスパートは「紙の契約書のフォーマットはそのままに、押印を電子署名に置き換えるだけで電子契約は導入できるので、従来の業務プロセスに与える影響は小さい」と説明。また同社では、税理士や会計士の資格をもつコンサルタントのチームを組織しており、専門的な知見にもとづけた導入支援サービスを提供しているほか、取引先企業向けの説明会の開催支援なども行っている。

 ワークフローなどと連携する形態の導入も増えているといい、今後は同社の販促活動に加え、ユーザー系SIerを中心に販売パートナーも拡大していく方針。(日高 彰)