SAPジャパン(福田譲社長)は、自動車関連のネットワークサービスを構築するためのプラットフォーム「SAP Vehicle Insights」の提供を、今年第2四半期中(6月まで)に開始する。一般提供に先立ち、国内のバス事業者数社との間で、危険運転を検知する運行管理システムの実証実験を進めている。

小寺健夫
バイスプレジデント
 同社のPaaS型クラウドサービス「HANA Cloud Platform」の上に、車両分析のための各種機能を実装して提供する。自動車に取り付けたセンサを利用して、車両位置、速度、燃料の搭載量/消費量などのデータを取得。それらをクラウドに集約することで、車両の運行管理や故障予測などができる。車載センサは、ECU(車載コンピュータ)のデータ取得で一般的に利用される「ODBII」規格に準拠したデバイスが利用できるので、幅広い車種に対応可能。

 SAPジャパンで自動車産業統括本部の本部長を務める小寺健夫・バイスプレジデントは、「自動車メーカー各社もテレマティクスに大きな投資をしているが、われわれのプラットフォームはそれらに比べ圧倒的に低コストで、短期間でのシステム構築が可能なのが特徴」と説明。これまでコストが理由で自前の運行管理システムをもてなかった企業でも、クラウド型の基盤として提供されるVehicle Insightsを用いることで、低コストでシステムを構築し、社用車の一元管理や、社員の運転傾向の把握などが可能。また、燃料が少なくなると自動的にカーナビが最寄りのガソリンスタンドを表示したり、駐車場のゲート開閉や料金支払いを自動的に済ませたりするなど、自動車に関連する各種サービスの事業者と連携したソリューション展開も視野に入れ、広告代理店や自動車販売業者などとのビジネスも模索する。

 多くの大手クラウド事業者がIoT向けの分析機能を提供しているが、SAPではHANAがもつリアルタイム分析性能を生かして自動車分野での採用拡大をねらう。(日高 彰)