中国最大手のクラウドサービス「阿里雲(Alibaba Cloud)」が、ついに日本市場に進出する。ソフトバンク(宮内謙・社長兼CEO)とアリババグループ(張勇CEO)は5月13日、クラウドサービス事業を手がける合弁会社「SBクラウド」を日本に設立したと発表した。

 アリババグループは、「阿里雲」の日本進出にあたって、市場に精通するソフトバンクグループとの提携が効果的であると判断した。合弁会社の出資比率は、ソフトバンクが60%でアリババグループが40%。従業員数は約30人で、ソフトバンクが用意している。代表取締役兼CEOには、ソフトバンク専務取締役のエリック・ガン氏が就任した。

 今後は、日本国内にデータセンター(DC)を設置し、「阿里雲」の技術を活用したパブリッククラウドサービスを提供する。DCのリソース調達やサービスの詳細はこれから検討していくが、顧客対象は中国系企業にとどまらず、日本のベンチャー企業や多国籍企業を含むあらゆる企業に拡販する予定だ。

 中国最大のクラウドサービスである「阿里雲」は、16年3月末時点で230万ユーザーを抱え、有償利用ユーザー数も50万を超えている。2015年度(16年3月期)の売上高は前年度比138%増の30億1900万元。今年1~3月の売上成長率は前年同期比175%と勢いを増している。

アリババグループ
喩思成
副総裁
 アリババグループでは、昨年7月、クラウドサービス事業への10億米ドル投資計画を発表。ビッグデータや人工知能(AI)など、「阿里雲」の機能・サービス強化を進めているほか、中国の各主要都市で精力的にパートナー大会を開催するなど、エコシステム形成に力を注いでいる。

 同時に、15年3月に北米DCを開設して以降、グローバル展開を加速してきた。すでに香港、北米、シンガポールにDCを保有しており、中東や欧州でのDC開設を計画している。日本への進出も当初から予定しており、昨年4月のBCNの単独取材で、同社の喩思成副総裁は、「日本市場でサービスを提供することは、われわれにとっての念願」「アリババの株主の一部は日本企業で、日本とは縁が深い。こうした結びつきも生かしたい」などと話していた。 (真鍋 武)