KUFU(宮田昇始代表取締役)が開発・提供するクラウド型労務管理ソフトウェアの「SmartHR」が好調だ。社会保険・雇用保険の書類を自動作成し、ウェブから自動申請できるのが最大の特徴で、人事情報も一元管理できる。年内に4000社、来年までに3万社のユーザー獲得を目標に掲げていたが、「プロモーションは一切していないが、想定よりユーザー増のペースが速い」(宮田代表取締役)といい、目標を上方修正し、急ピッチで事業拡大に取り組む。

宮田昇始
代表取締役
 宮田代表取締役はSmartHRのコンセプトについて、「freeeやMFクラウド会計といったクラウド会計ソフトが急成長しているが、その人事労務版だと思ってもらえばいい」と説明する。

 「社会保険や雇用保険の手続きは、役所の複数の部署に窓口が分散していたりするし、書類作成も複雑で面倒だった。SmartHRは、フォームに沿って入力するだけで書類が作成でき、役所への申請もウェブからできる。また、人事情報の変更も共通のデータベースに保存し、最新の情報を管理できるようにしている。クラウドアプリケーションならではの特性を生かし、書類作成、申請、人事情報管理まで完結できる製品に仕上げた」(宮田代表取締役)。

 当初は、経営者が自ら人事労務業務をこなさなければならないような小規模零細企業での利用を想定していたというが、宮田代表取締役は、「うれしい誤算といえるが、従業員が500人近い企業でもすでに採用されており、現在は従業員数100人前後の企業からの引き合いがもっとも多い」と、ビジネス規模の拡大に手応えを感じているという。

 また、社会保険労務士の業務と競合することも当初は懸念していたというが、「むしろ煩雑な事務仕事を効率化して、価値のあるコンサルティング業務にシフトしたいと考えておられる社労士さんが予想以上に多いことがわかった」(宮田代表取締役)として、社労士との協業ネットワーク構築を視野に、社労士向けサービスの開発も進めている。

 こういった取り組みは、会計ソフトメーカーが会計事務所などのパートナーネットワークを重要視しているのと同じ構図にあるといえそうだ。

 2015年11月にSmartHRをリリースし、導入企業数は3月の時点で700社を超えている。宮田代表取締役は、「社会保険手続きの自動化・効率化がメインのソフトウェアという意味では、まだ競合製品は市場に存在しないと思っている」と、パイオニアとしての市場開拓に自信をみせる。(本多和幸)